
おしどり贈与とは?適用するための要件やメリットについて解説

- この記事のハイライト
- ●おしどり贈与とは配偶者に課される贈与税が2,000万円まで控除できる制度
- ●おしどり贈与を適用するためには婚姻期間や居住期間など要件を満たす必要がある
- ●相続時に利用できる控除制度とどちらが適しているか考慮して判断することが大切
仲睦まじい夫婦に対して「おしどり夫婦」と呼ぶことがありますが、そのような夫婦が贈与をおこなった場合に税金が控除される特例があります。
その特例を「おしどり贈与」といいますが、利用する際には概要や要件をしっかり把握して検討することが大切です。
そこで今回は、おしどり贈与とはなにか、おしどり贈与を適用するための要件やメリット・デメリットについて解説します。
一宮市・名古屋市・西尾張で所有している不動産の相続をどうするかお悩みの方は、ぜひ参考にしてみてください。
おしどり贈与(贈与税の配偶者控除の特例)とは?

まずは、おしどり贈与とはなにか、その概要について解説します。
おしどり贈与とは
おしどり贈与とは、長年連れ添った配偶者へ自宅や自宅の購入資金を贈与した場合、一定額まで贈与税がかからない税度です。
正式名称を「贈与税の配偶者控除の特例」といます。
贈与税については、暦年贈与と呼ばれる贈与をおこなう場合、年間110万円の基礎控除が設けられています。
つまり、110万円を超えなければ、贈与に該当せず、贈与税も課されないのです。
おしどり贈与は、この基礎控除とは別の制度です。
控除額は最高2,000万円で、暦年贈与の基礎控除と併用できます。
そのため、おしどり贈与を適用する場合、最大で2,110万円の控除を受けられるのです。
贈与税の申告が必要
おしどり贈与を利用するためには、一定の要件を満たす必要があります。
そして、以下のような書類を添付し、贈与税の申告をおこなわなければなりません。
- ●戸籍謄本または抄本(財産の贈与を受けた日から10日後以降に作成されたもの)
- ●戸籍の附票の写し(財産の贈与を受けた日から10日後以降に作成されたもの)
- ●居住用不動産の登記事項証明書(登記簿謄本)など、贈与を受けた方が自宅を取得したことがわかる書類
- ●不動産の評価額がわかる書類(固定資産評価証明書など)
配偶者控除によって贈与税がゼロになっても、特例を利用するためにはかならず申告しなければならないため、忘れずに手続きしましょう。
おしどり贈与の適用は1度のみ
おしどり贈与の適用となるのは、同じ配偶者からの贈与では1度のみです。
つまり、何度も贈与を受けて贈与税の配偶者控除が適用されるわけではないのです。
ただし、1度おしどり贈与の適用をうけたあと離婚し、あらたに再婚した配偶者からの贈与の場合、要件を満たせば適用できます。
とはいえ、おしどり贈与は、婚姻期間が20年以上の夫婦が対象です。
1度目の結婚から20年以上経過し、また再婚してから20年以上経過する必要があるため注意しましょう。
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おしどり贈与を適用するための3つの要件とは
おしどり贈与は、一定の要件を満たした場合に適用できます。
その要件のポイントは、以下の3つです。
- ●婚姻期間
- ●居住期間
- ●居住用不動産
上記についてどのような要件が設けられているのか、順番に解説します。
婚姻期間
おしどり贈与が適用されるのは、婚姻関係にある夫婦間の贈与です。
内縁関係は適用されません。
そして、婚姻期間が20年以上の配偶者が対象です。
この20年については、通算でも良いことになっています。
たとえば、5年間婚姻関係にあった夫婦が離婚し、あとで復縁し婚姻関係が戻った場合、合計して20年以上あれば適用されます。
また、おしどり贈与で計算される婚姻関係の期間は、婚姻届を提出した日から贈与を受けた日までです。
居住期間
おしどり贈与は、居住期間にも要件が設けられています。
贈与によって不動産を取得した翌年の3月15日までにその不動産に居住し、その後も継続して居住すると見込まれる場合に適用されます。
居住用不動産
おしどり贈与は居住用不動産を対象としています。
贈与によって取得した不動産、もしくは資金の贈与を受けて購入した不動産を生活の拠点とすることが要件です。
資金の贈与を受けた場合、居住用不動産の購入以外に使用するとおしどり贈与の対象にならないため注意が必要です。
なお、居住用不動産は、建物と敷地を分けて贈与することもできます。
その場合は、以下のようにパターンによって要件が異なります。
敷地のみ
敷地のみ贈与を受けた場合、その所有者は敷地を贈与した方の配偶者であることが要件です。
もしくは、その配偶者と同居する親族が所有者となっても適用されます。
店舗兼住宅
店舗兼住宅の場合、建物や敷地のおよそ9/10以上が居住部分であれば、建物や敷地の全部に対しておしどり贈与が適用されます。
9/10より少ない場合は、居住用に使用している部分のみ適用されます。
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おしどり贈与のメリット・デメリットとは

おしどり贈与の概要や適用するための要件について前章で解説しましたが、実際にこの特例を利用する場合、どのようなメリットがあるのでしょうか。
また、注意すべきデメリットがあれば事前に知っておきたいですよね。
そこで最後に、おしどり贈与を利用するメリット・デメリットについて解説します。
おしどり贈与を利用するメリット
おしどり贈与を利用するメリットとしては、以下のようなことが挙げられます。
- ●相続財産を減らせる
- ●配偶者の住居を確保できる
- ●譲渡所得税の控除をそれぞれ活用できる
メリットの内容について、順番に解説します。
メリット1:相続財産を減らせる
財産を贈与することで、相続が発生した際の財産を減らすことができます。
おしどり贈与を適用すれば、最大で2,110万円の控除を受けられるため、相続税を軽減できるのです。
メリット2:配偶者の住居を確保できる
相続が発生すると、不動産をどのように分けるのかといったことについて相続人同士で揉めることも少なくありません。
居住用不動産を配偶者に贈与すれば、相続発生後に配偶者の住居を確保できます。
相続発生後に、配偶者が相続トラブルに巻き込まれる心配もなくなります。
メリット3:譲渡所得税の控除をそれぞれ活用できる
不動産を売却して利益を得た場合、その利益に対して譲渡所得税が課されます。
譲渡所得税については、その負担を軽減する控除制度が設けられています。
自宅の所有権を配偶者に移転し、共有名義にすれば、将来自宅を売却するときに譲渡所得税の控除を両方が受けられるため、売却時の税金を節税することが可能です。
おしどり贈与を利用するデメリット
おしどり贈与を利用すると、以下のようなデメリットも生じます。
- ●不動産取得税が発生する
- ●相続税の配偶者控除のほうが有利
どういうことなのか、デメリットの内容について解説します。
デメリット1:不動産取得時の税金の税率が高い
不動産を取得すると、不動産取得税や登録免許税が課されます。
不動産取得税は、相続の場合は非課税ですが、贈与の場合は固定資産税評価額×3%が課されます。
登録免許税の税率は、相続の場合は固定資産税評価額の0.4%、贈与の場合は2%です。
つまり、不動産を取得したときに発生する税金が、相続時より高くなってしまうのです。
デメリット2:相続税の配偶者控除のほうが有利
相続が発生した際には、配偶者は1億6,000万円または法定相続分のどちらか多い金額まで相続税がかからない「相続税の配偶者控除」という制度があります。
税金面では、相続税の配偶者控除のほうが有利です。
ただし、相続トラブルが発生する可能性がある場合は注意が必要です。
その場合は、不動産を配偶者に渡す旨を遺言書に記載しておくなど対策しておきましょう。
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まとめ
おしどり贈与とは、婚姻関係が20年以上続いている配偶者に居住用不動産を贈与する場合に、最大2,110万円の控除を受けられる制度です。
ただし、居住期間など、いくつか設けられた要件を満たす必要があります。
おしどり贈与はメリットが多い制度ですが、相続時に受けられる控除とどちらが得なのか、またどちらを適用したほうが安心なのか考慮しながら検討しましょう。
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