相続時に請求できる寄与分とは?認められる要件と特別寄与料も解説
- この記事のハイライト
- ●寄与分とは被相続人の財産の維持または増加に貢献した方に相続分以上の財産を取得させる制度
- ●寄与分が主張できるのは相続開始から10年までと時効がある
- ●特別寄与料は相続人以外の親族の方でも寄与分を請求できる制度
被相続人の生前に献身的に介護してきた場合や、財産の維持や増加に貢献した場合は「寄与分」が認められることがあります。
また、相続人以外の親族の方でも、2019年の法改正により特別寄与料として受け取ることが可能になりました。
そこで、寄与分とはなにか、認められる要件と特別寄与料について解説します。
一宮市・名古屋市・西尾張で不動産を相続する予定がある方は、ぜひ参考になさってください。
相続分をプラスできる「寄与分」とは?
被相続人の生前に財産の維持・増加に貢献した場合、相続時に法定相続分にくわえて貢献の度合いに応じた相続分をプラスすることができます。
その制度のことを「寄与分」と呼び、ほかの相続人よりも相続財産を多く受け取ることが可能です。
ここでは、寄与分とはなにか、また請求方法について解説します。
寄与分とは
被相続人の財産の維持や増加に貢献した場合、その相続人に法定相続分以上の財産を取得させる制度のことを「寄与分」といいます。
たとえば、相続人のなかには、寝たきり状態の被相続人を介護し財産の減少を防いだり、家業を手伝い財産を増やしたりした方もいらっしゃるでしょう。
このような相続人がいる場合、法定相続分どおりに分配されることに不満を持つケースも少なくありません。
寄与分は、そうした相続人の間での公平を図るためにできた制度です。
寄与分を請求する方法
寄与分を主張したい場合は、以下の3つのいずれかの方法で請求する必要があります。
①遺産分割協議で話し合う
寄与分を主張したい場合は、まずは当事者間で話し合って解決することになります。
相続時には遺産分割協議をおこない、誰が何をどのくらい相続するのか決めなければなりません。
その協議のなかで、寄与分について話し合いをおこない合意を目指します。
話し合いがうまくいけば、短期間で解決できる点がメリットです。
②家庭裁判所の調停を利用する
遺産分割協議などの話し合いで解決できなかった場合は、家庭裁判所の調停を利用して解決を目指します。
裁判所を通せば、調停委員会の説得などにより話し合いが進む可能性があります。
ただし、調停手続は長期化する傾向にあるため、労力と手間が必要になるため注意が必要です。
なお、調停の前にまずは弁護士に依頼し、遺産分割の示談交渉をしてもらうのをおすすめします。
③家庭裁判所の審判を利用する
調停での解決が得られなかった場合は、最終的には審判により裁判所の判断が下されます。
審判では、調停のような話し合いではなく、当事者の事情や提出書類などをもとにおこなわれます。
ただし審判に移行する場合は、遺産分割の審判の申し立てと、寄与分を認める審判の両方の申し立てが必要です。
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相続時に寄与分が認められる5つの要件
寄与分は誰でも請求できるわけではありません。
認められるには要件を満たす必要があり、また当事者間での話し合いのもと判断されるケースも多いといえるでしょう。
寄与分の5つの要件
寄与分を主張し認められるには、以下の5つの要件を満たす必要があります。
要件1:相続人である
原則として相続人のみに認められており、相続人ではない親戚が生前に貢献したとしても寄与分を主張することはできません。
ただし、相続人に近い関係性がある場合は、寄与行為として認められることもあります。
要件2:財産の維持・増加に貢献していた
たとえば「付きっきりで看護や介護にあたったことにより医療費を削減できた」など、財産の維持などにつながっているかどうかも重要な要件の1つです。
このような経緯がある場合は、因果関係が証明できる日記などの資料があればさらに良いでしょう。
要件3:特別な寄与をおこなった
特別な寄与かどうかも重要なポイントです。
法律で具体的に定められているわけではないため、当事者間での話し合いにより判断されることになります。
ただし、日常的な介護や扶養義務範囲内の介護などは、認められない可能性が多いため注意しましょう。
要件4:対価を得ていないこと
寄与行為を無償でおこなっていたかどうかも重要です。
介護や事業を手伝った際に、対価を得ていた場合は認められないため注意しましょう。
要件5:一定期間の貢献した経緯があること
看護や介護など一定期間以上の寄与行為であることも要件の1つです。
ただし、明確な期間についても法律上定めがないため、相続人同士の話し合いで判断することになります。
寄与分の5つの型
寄与分には主に以下のような5つの型に分けられます。
- ●事業(家業)従事型:被相続人の事業に従事していた
- ●金銭出資型:被相続人に財産上の利益を給付した
- ●療養看護(介護)型:被相続人の療養介護に従事していた
- ●扶養型:被相続人が生活で必要な資金を援助していた
- ●財産管理型:被相続人の財産管理により維持形成に寄与した
なお、いずれも対価を得ていないことが条件となっています。
寄与分請求の時効について
寄与分は被相続人が亡くなってから数年経過した場合でも、請求することは可能なのでしょうか。
従来は寄与分による主張について期間に制限はありませんでした。
しかし、実際は何年も前の寄与行為を証明するのは難しく、結局は認められないケースが多かったのです。
そこで2023年4月1日の民法改正により、相続発生から10年以内と時効が設けられました。
10年を経過すると、法定相続分で分割することになるため注意しましょう。
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相続人以外の親族でも寄与分が受け取れる?特別寄与料とは
これまで寄与分が認められていたのは、原則として相続人のみでした。
しかし実際は、息子の配偶者が介護や看病していたケースが多いのも現状です。
息子の配偶者は相続人ではないため、寄与分を請求することはできませんでした。
そこで、2019年7月の民法改正で「特別寄与料」が創設されました。
特別寄与料とは
特別寄与料は、相続人以外の親族でも被相続人の財産や維持などに貢献した場合に、寄与に応じた金額を請求できる制度です。
この制度により、相続人以外の親族が主張できるようになったのです。
請求が認められる親族は、6親等内の血族(はとこなど)、3親等内の姻族(配偶者、甥・姪)とされています。
なお、友人や知人などは被相続人の生前に大きく貢献していたとしても、主張は認められないため注意しましょう。
特別寄与料の注意点
特別寄与料を請求したい場合は、遺産分割協議に加わるのではなく、自ら家庭裁判所へ申し立てることになります。
ただし、申立が可能な期間が定められているため注意が必要です。
消滅期限は、特別寄与者が相続開始および相続人を知ったときから6か月とされています。
また、相続開始のときから1年を経過してしまうと、請求できることを知っていたかどうかにかかわらず、特別寄与料の請求をおこなうことができなくってしまうため注意しましょう。
なお、相続人同士でトラブルにならないためには、弁護士などの専門家に相談しながら進めると良いでしょう。
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まとめ
寄与分は、相続人の間での公平を図るためにできた制度ですが、要件が複数あるため認められるには条件を満たす必要があります。
また、2019年の法改正により、相続人以外の配偶者や甥や姪なども特別寄与料を請求することができるようになりました。
それぞれ期限が設けられているため、寄与分を主張したい場合は早めに手続きを進めることをおすすめします。
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