相続した農地を売却する流れとは?売却のメリットやデメリットも解説!

不動産コラム

渡邉 幸平

筆者 渡邉 幸平

相続した農地を売却する流れとは?売却のメリットやデメリットも解説!

この記事のハイライト
●市街化区域外の農地を売却する際は農業委員会の許可が必要
●農地の売却によって得られるメリットは現金化できることや管理の負担と固定資産税がなくなることなどである
●農地の売却におけるデメリットには手間と時間がかかることや譲渡所得税が発生する可能性があることなどが挙げられる

農地を相続しても、使う予定がなくて放置することになるかもしれません。
その場合は管理や税金の負担がかかるので、早めに売却することがおすすめです。
そこで今回は相続した農地を売却する流れや、売却によって得られるメリットと生じるデメリットを解説します。
一宮市や名古屋市などの西尾張で農地を相続する可能性のある方は、ぜひご参考にしてください。

相続した農地を売却する際の基本的な流れとは

相続した農地を売却する際の基本的な流れとは

相続した農地を使わない場合は売却がおすすめですが、その際は注意が必要です。
なぜなら、農地の売却手続きは宅地よりも煩雑であるからです。
農地を売却する際の手続き方法を、基本的な流れに沿って確認してみましょう。

相続した農地を売却する流れ①農地であることなどを確認する

相続した農地を売却する際は、まず農地法上の農地であるかどうかと、市街化区域かどうかを確認します。
農地法上の農地とは、耕作の目的に供される土地のことであり、地目が田や畑でなくても使用状況によって該当することがあるので注意しましょう。
また、農地であっても市街化区域は届出のみで転用や売却ができますが、市街化区域外の場合は許可を得る必要があります。
そのため、相続した農地がどちらに該当するかについても調べておきましょう。

相続した農地を売却する流れ②相続登記と相続の届出をする

不動産を相続した場合は、相続登記が必要です。
相続登記とは、不動産の名義を被相続人から相続人に変更する手続きであり、法務局でおこないます。
そして、相続した土地が農地である場合は、農地のある市町村の農業委員会へ相続の届出をする必要もあるので、忘れずにおこないましょう。

相続した農地を売却する流れ③買主を探す

農地であることの確認や相続登記などが終わったら、買主を探します。
農地転用する場合は、買主が見つかったら地目を決めて農地転用を申請します。
農地のまま売却する場合は、農業従事者の買主を探しましょう。

相続した農地を売却する流れ④停止条件付売買契約を結ぶ

買主が決まったら、停止条件付売買契約を結びます。
停止条件付売買契約とは、締結後に一定の事実が発生すると法的な効力が生じる契約です。
この形で契約すると、農業委員会の許可を得るまでの間も手続きを進めることができ、許可が下りなかった場合は無効になります。

相続した農地を売却する流れ⑤許可申請をおこなう

契約まで進んだら、農業委員会へ許可申請をおこないます。
農地転用する際は転用許可、農地のまま売却する際は売却許可を申請しましょう。
ただし、市街化区域内にある場合は許可が不要で、届出のみをおこないます。

相続した農地を売却する流れ⑥所有権移転登記と精算をおこなう

農地転用や売却の許可が下りたら、農業委員会から許可書を受け取ります。
そして、法務局で土地の所有権移転登記をおこないましょう。
売買代金の精算を終えて土地を引き渡したら、売却手続きは完了です。

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相続した農地を売却すると得られるメリットとは

相続した農地を売却すると得られるメリットとは

相続した農地を使わない場合でも、売却の流れを確認すると、手間や時間がかかって大変そうだとためらってしまうかもしれません。
けれど、農地を売却するとさまざまなメリットを得られます。
おもなメリットは4つあるので、それぞれ確認しておきましょう。

メリット①使わない資産を現金化できる

農地を売却して現金化すると、そのまま所有しているよりも有効に活用できます。
たとえば、相続税の支払いに使うことが可能です。
基礎控除額を超える財産を相続した場合は、相続税が課されます。
相続税は被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10か月以内に申告と納税が必要であるうえ、原則として現金で支払わなくてはなりません。
そのため、相続財産に農地が多い場合などは、売却して資金に変換し、期限までに納税する方法がおすすめです。

メリット②管理の負担がなくなる

不動産を所有している場合は、適切な管理が必要です。
農地は空き家とは違い、老朽化する心配はありませんが、放置していると土地が荒れて周囲に迷惑をかけてしまう可能性があります。
管理は定期的におこなう必要があるので、手間や時間がかかります。
農地を売却すると管理の必要がなくなるので、管理負担の軽減につながるでしょう。

メリット③固定資産税がなくなる

不動産の所有者には、固定資産税の支払い義務があります。
固定資産税は不動産の使用状況にかかわらず課されるので、農地を使っていない場合でも毎年支払わなくてはなりません。
その点、農地を売却すると固定資産税の負担がなくなります。

メリット④将来的なリスクを回避できる

不動産の価格は一定ではなく、常に変動しています。
そのため、将来も現在と同じ価値であるとは限りません。
需要と供給などの要素によっては、価値が下落する可能性もあるでしょう。
どのように変動するかを予測することは難しいので、将来価値が下落するリスクを回避するためには、早めに売却したほうが良いでしょう。

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相続した農地を売却すると生じるデメリットとは

相続した農地を売却すると生じるデメリットとは

相続した農地を売却するとさまざまなメリットを得られますが、デメリットも生じるので注意が必要です。
どのようなデメリットが生じるのか、確認しておきましょう。

デメリット①手続きに手間と時間がかかる

先述のとおり、相続した農地を売却する手続きは宅地よりも煩雑です。
また、農地転用する際は転用許可、農地のまま売却する際は売却許可を得なくてはならず、許可が下りるまでには長い時間がかかることもあります。
そのため、売却が完了するまでには多くの手間や時間がかかると考えられるでしょう。

デメリット②確定申告と納税が必要になる可能性がある

相続した農地を売却して利益が生じた場合は、翌年の確定申告と納税が必要です。
不動産の売却によって生じた利益である譲渡所得には、譲渡所得税と呼ばれる税金が課されるからです。
確定申告は、基本的に農地を売却した翌年の2月16日から3月15日におこないます。
譲渡所得税は譲渡所得に税率を乗じて算出され、譲渡所得が多いほど税額が上がるので注意しましょう。

デメリット③相続税の納税が必要になる可能性がある

納税猶予制度を活用していた場合は、農地を売却すると相続税を納める必要が生じます。
納税猶予制度とは、相続した農地をそのまま農業に使い続ける場合、一定の要件を満たすと相続税の納税が猶予される制度です。
その相続人が死亡するまで農業を続ければ、猶予されていた相続税は免除されます。
ただし、農地を売却した場合は、猶予されていた相続税を納めなくてはなりません。

デメリット④相続人の意見が合わずにもめる

相続人が複数人いると、意見が合わずにもめることがあります。
たとえば、農地を使わないので売却したいと思っても、反対する方がいるかもしれません。
売却は農地を手放すことになる大きな決断なので、躊躇する方もいるでしょう。
意見が合わないのに強引に進めてしまうと、トラブルになる可能性があります。
そのため、意見が合わないときは無理に進めず、全員が納得できるまでしっかりと話し合いましょう。

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まとめ

相続した農地を売却する手続きは煩雑なので、流れをしっかりと押さえることが大切です。
農地を売却すると現金を得られるうえ、管理や固定資産税の負担がなくなります。
ただしデメリットも生じるので、その点をしっかりと理解したうえで決断しましょう。
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このブログの担当者 
渡邉 幸平

◇一宮市・名古屋市内全域を中心に、
不動産仲介及び買取り事業を行っております。
◇一宮市出身の私は、元銀行系不動産売買仲介会社等に従事した経験があり、実績豊富です。
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