生産緑地を相続したら相続税はどうなる?納税猶予制度の活用方法を解説

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生産緑地を相続したら相続税はどうなる?納税猶予制度の活用方法を解説

この記事のハイライト
●生産緑地を相続した場合に一定条件を満たせば相続税の納付を一定期間猶予することができる
●相続税の納税猶予制度を受けるためには相続開始から10か月以内に手続きをおこなう必要がある
●農業を途中でやめたり手続きを怠ったりすると相続税の納税猶予が打ち切られるリスクがある

親から受け継いだ生産緑地は、土地の評価額が高く相続税の負担も大きくなりやすいです。
しかし、一定の条件を満たせば「相続税の納税猶予制度」によって、相続税の納付を先送りできる場合があります。
この記事では、生産緑地の相続時に知っておきたい納税猶予のしくみと手続き方法、注意点について解説します。
一宮市・名古屋市・西尾張で土地を相続するご予定のある方は、ぜひ参考になさってください。

生産緑地に適用される相続税の納税猶予とは

生産緑地に適用される相続税の納税猶予とは

生産緑地を相続によって取得した場合、相続税の納付が猶予されるケースがあります。
そもそも、生産緑地とはどのような土地を指すのでしょうか。
はじめに、生産緑地の定義や指定を受ける条件について解説します。

生産緑地とは

生産緑地とは、市街化区域内にある農地のうち、自治体が「今後も農地として保全する」と指定した土地のことです。
1992年に創設された制度で、都市部で進む宅地化の中でも農地を残すことを目的としています。
指定を受けると、農地として利用し続けることを条件に、固定資産税や相続税で一定の優遇措置を受けられる点が特徴です。
都市部の土地は評価額が高く、相続時には相続税の負担が大きくなりがちです。
こうした負担を軽減するために、生産緑地には特別な税制が用意されています。

相続税の納税猶予が適用される条件

生産緑地を相続した場合、一定の条件を満たすと「相続税の納税猶予」を受けられます。
これは、相続税の納付をすぐにはおこなわず、将来的に条件を満たせなくなった時点でまとめて支払うことを認める制度です。
納税猶予が適用される主な条件は、相続人が相続した農地を引き続き農業に使い続けること、そしてその農業の継続を税務署に約束することです。
農地としての利用を続ける限り、納税を繰り延べることができます。
しかし相続した土地を売却したり、農業をやめて宅地に転用したりした場合には猶予が打ち切られ、その時点で相続税を一括で納める必要があります。

制度を受けるためには申告が必要

相続税の納税猶予を受けるには、相続税の申告期限(相続開始から10か月以内)までに手続きをおこなう必要があります。
手続きは自分でできますが、専門的で複雑なため、できる限り税理士や不動産に詳しい専門家と相談しながら進めるのが安心です。
納税猶予を受けた後も毎年農業を続けているかどうか税務署から確認が入り、途中で農地を手放すと猶予は打ち切られてしまいます。
ただし、相続人が高齢で農業を続けられなくなった場合や死亡した場合には、猶予された相続税が免除されるケースもあります。

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生産緑地の納税猶予を受けたい!手続き方法は?

生産緑地の納税猶予を受けたい!手続き方法は?

相続税の納税猶予は、要件を満たしているだけでは自動的に適用されません。
適用を受けるには、相続発生時に行う「申告手続き」と、その後も継続して猶予を受けるための「3年ごとの更新手続き」が必要になります。
申告には期限があるので、事前に手続きの流れを確認しておきましょう。

相続税の納税猶予の申告手続き

相続税の納税猶予を受けるには、被相続人が死亡したことを知った翌日から10か月以内に税務署で手続きをおこなわなければなりません。
あわせて、納税猶予税額及び利子税の額に見合う担保(その農地でなくても差し支えなし)を提供する必要があります。
担保の提供方法には2つあり、納税猶予を受けた生産緑地のすべてを担保として差し出す「全部担保」の場合は、その土地で相続税額に相当する担保が確保されたものとみなされます。
これに対し、土地の一部やその他の資産を組み合わせて担保とする場合は「一部担保」となり、相続税額と利子税の合計額に見合う価値の担保を提供しなければなりません。
なお、手続きの際には、戸籍謄本や遺言書など通常の相続税申告に必要な書類に加え、農業委員会が発行する「適格者証明書」の提出も必要です。
これらの書類の中には発行まで時間がかかるものもあるため、相続税の申告期限に間に合うよう、早めに準備を始めましょう。

相続税の納税猶予の適用の継続手続き

生産緑地に適用される納税猶予は、一度手続きを済ませれば終わりではありません。
特例を継続して受けるためには、3年ごとに「引き続き農業経営を行っていること」を証明する書類を提出する必要があります。
この証明書は、農業委員会が現地調査をおこなったうえで発行されるものです。
もし届出を怠ると、その時点で納税猶予が打ち切られ、猶予されていた相続税や利子税をまとめて納めなければならなくなるためご注意ください。

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生産緑地における相続税の納税猶予を受ける際の注意点

生産緑地における相続税の納税猶予を受ける際の注意点

相続税の納税猶予は、一度適用を受けたあとでも条件を満たさなくなれば打ち切られることがあります。
特例が外れると、猶予されていた相続税に加え、利子税もまとめて納める必要があるため注意が必要です。
最後に、どのような場合に納税猶予が打ち切られるのか、利子税に関する注意点も含めて解説します。

納税猶予が打ち切られる場合

生産緑地に対する相続税の納税猶予は、一定の条件を守り続けることが前提です。
たとえば、生産緑地を贈与・譲渡した場合や、駐車場など農地以外に転用した場合には、猶予は打ち切られます。
農業を続けられる状態でありながら、第三者に貸し付けるために使用貸借権や賃借権を設定した場合も同様です。
また、農業をやめてしまったり、3年ごとに提出が必要な継続届出書を出し忘れたりした場合も特例の対象外になります。
さらに、生産緑地を自治体に買取り申出した場合や、生産緑地の指定そのものが解除された場合も注意が必要です。
生産緑地は指定から30年経過すると買取り申出が可能になりますが、この申出をおこなうと猶予されていた相続税の納付義務が発生します。
なお、指定から30年を経過した後に特定生産緑地へ再指定されなかった場合には、農業を続けていても新たな相続時には納税猶予が適用されません。
ただし、この時点ですでに納税猶予を受けている分については、現世代に限り次の相続が発生するまで猶予を継続できる「激変緩和措置」があります。

納税時に利子税がかかる

納税猶予が打ち切られた場合には、猶予されていた相続税を一括で納めるだけでなく、その金額に対して利子税も加算されます。
利子税は原則として、相続税の申告期限の翌日から納税猶予が打ち切られる日までの期間を基に計算され、年3.6%の割合で課されます。
たとえば、猶予税額が1億円で10年間猶予を受けていた場合、利子税だけで約3,600万円となり、納税額の合計は約1億3,600万円です。
このように利子税の負担は大きいため、結果的に特例を利用せずに早期に納税していた方が有利だった、という可能性もあります。
近い将来に相続が発生する可能性がある場合や、農業の継続に不安がある場合は、経済状況を踏まえて慎重に判断することが大切です。

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まとめ

生産緑地を相続した場合、一定の条件を満たせば相続税の納付を先送りできる「相続税の納税猶予制度」が利用できます。
この制度を利用する場合、相続開始から10か月以内に申告と担保の提供をおこない、その後も3年ごとに継続届を提出する必要があります。
都市部で土地評価額が高い場合には大きな負担軽減となる一方、途中で打ち切られるリスクもあるので、制度の内容を理解して慎重に検討することが大切です。
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この記事の執筆者

  

このブログの担当者 
渡邉 幸平

   

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◇一宮市出身の私は、元銀行系不動産売買仲介会社等に従事した経験があり、実績豊富です。
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