不動産相続後はどのような手続きが必要?手続き方法や申請期限なども解説
- この記事のハイライト
- ●不動産を相続したら3年以内に名義変更の手続きをする必要がある
- ●相続税の納付期限は被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10か月以内
- ●家賃収入などを得ていた被相続人が死亡したら準確定申告が必要になる
不動産を相続したら、期限内に名義変更の手続きをしなければなりません。
また、相続税の申告や納税、場合によっては準確定申告が必要なケースもあります。
いずれの手続きにも期限が設けられているため、事前に概要を把握しておきましょう。
今回は、不動産相続後に必要な手続きについて、手続き方法や申請期限などを解説します。
一宮市や名古屋市、西尾張で不動産相続を控えている方は、ぜひ最後までご覧ください。
不動産相続に関する手続き①名義変更(相続登記)の仕方と期限
不動産を相続したら、法務局で相続登記をおこなわなければなりません。
はじめに、相続登記とはなにか、手続き方法や申請期限について解説します。
相続登記とは
相続登記とは、不動産の名義を被相続人から相続人に変更する手続きのことです。
相続登記は、2024年4月より義務化され、期限内に申請をしないとペナルティが科されます。
これは、過去にさかのぼって適用されるため、2024年4月以前に不動産を相続した場合も相続登記が必要です。
相続登記の期限は、自分が相続人かつ相続財産に不動産があることを知ったときから3年以内です。
過去の相続については、猶予期間が設定されており、2027年3月31日までに手続きをおこなえば良いとされています。
相続登記の仕方
相続登記は、不動産の所在地を管轄する法務局で申請します。
そのためには、まず申請に必要な書類を集める必要があります。
提出が必要な書類は、主に以下のとおりです。
- ●被相続人の戸籍謄本や住民票の除票
- ●相続人の戸籍謄本や住民票
- ●固定資産評価証明書
- ●不動産の登記事項証明書(登記簿謄本)や公図
遺産分割協議をおこなった場合は、遺産分割協議書や法定相続人全員の印鑑証明書なども必要です。
相続人が多ければ多いほど書類の収集に時間がかかるので、早めに準備に取り掛かることをおすすめします。
必要書類が準備できたら、登記申請書を作成し、登録免許税の金額分の印紙を添付して法務局で申請します。
ご自身で手続きをするのが難しいと感じる場合は、司法書士などの専門家に依頼することもご検討ください。
期限内に相続登記ができないとどうなる?
相続登記の期限内に手続きをしないと、10万円以下の過料が科される可能性があります。
ただし、期限内に申告ができないような理由がある場合には、相続人申告登記を申請することで過料の支払いを回避できます。
相続人申告登記とは、相続の開始と自分がその相続人であることを登記官に申し出る制度です。
相続人の間でトラブルがあり、遺遺産分割協議が難航しているなど、期限内に登記ができそうにない場合に適用されます。
これは、あくまでも簡易的な手続きなので、遺産分割協議が成立したら、速やかに相続登記をおこなう必要があります。
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不動産相続に関する手続き②相続税の申告・納付方法と期限
不動産を含む遺産の総額が基礎控除額を超えた場合、超えた分に対して相続税が課されます。
次に、相続税の申告・納付方法と期限、申告が間に合わない場合のペナルティについて確認しておきましょう。
相続税の申告・納付方法と期限
相続税が発生したら、被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10か月以内に申告・納付をする必要があります。
そのため、まずは相続税の課税対象となるのかを計算しておかなければなりません。
相続税には、基礎控除額が設けられており、「3,000万円 +(600万円 × 法定相続人の数)」で計算できます。
たとえば、相続人が3人の場合、基礎控除額は4,800万円となり、それ以下であれば相続税は課税されません。
相続税が発生するようであれば、税務署の窓口または国税庁のホームページで申告書を取得し、必要事項を記入します。
必要書類は、状況や財産の種類によって異なりますが、全員必須となる主な書類は以下のとおりです。
- ●相続人全員のマイナンバー
- ●被相続人の除籍・改製原戸籍
- ●被相続人の住民票除票・戸籍謄本
- ●相続人全員の戸籍の附票
- ●相続人全員の印鑑証明書
- ●遺産分割協議書
必要書類の収集と申告書の作成が済んだら、被相続人の住所を管轄する税務署に提出しましょう。
もし、該当する税務署が遠いなどの理由で直接提出するのが難しい場合は、郵送での提出も可能です。
申告後は相続税を納める必要がありますが、相続税は基本的に現金で一度に納付をしなければなりません。
また、税務署から納付書が送られてくるわけではないので、申告後にご自身で納付書を用意する必要があります。
相続税の納付書は、税務署や金融機関で取得することが可能です。
期限内に相続税の申告・納付ができないとどうなる?
相続税を期限内に申告・納付できないと、滞納日数や相続税の金額に応じたペナルティが科されます。
たとえば、相続税が50万円の場合、申告が1日でも遅れると、2万5,000円の無申告加算税が加算されます。
納付を怠ると遅延税も発生し、税率は申告期限の2か月以内で年7.3%、2か月を超えると年14.6%です。
節税に繋がる特例や税額控除を適用できなくなってしまうので、期限を意識して手続きを進めましょう。
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不動産相続に関する手続き③準確定申告の方法と期限
不動産相続において、準確定申告が必要となるケースもあります。
準確定申告とは、被相続人が生前に得た所得を相続人が代わりに申告することです。
最後に、準確定申告の仕組みと申告方法、期限について解説します。
準確定申告はなぜ必要?
準確定申告が必要となるケースは、被相続人が生前に家賃収入などを得ていた場合です。
被相続人に確定申告の対象となる収入がない場合は、原則として準確定申告は必要ありません。
通常の確定申告は、毎年1月から12月までの1年間分の所得にかかる所得税額を計算し、翌年に申告します。
ただし、被相続人が年の途中で亡くなった場合は、年末までの収入を計算して確定申告をおこなえません。
そのため、死亡日までの収入について、その相続人が期限内に申告・納付をおこなう必要があります。
準確定申告の方法
準確定申告の期限は、相続の開始があったことを知った日の翌日から4か月以内です。
相続人が複数いる場合は、相続人全員の連署によって代表者が申告をする方法と、各相続人が個別に申告をする方法があります。
後者の場合は、申告書の内容をほかの相続人にも通知しながら作成し、内容を統一させなければなりません。
作成方法が決まったら、控除に関係する書類(医療費の領収書や年金の源泉徴収票など)を準備し、申告書を作成して税務署へ提出します。
期限内に準確定申告ができないとどうなる?
準確定申告の期限を過ぎると、無申告加算税と延滞税が課されます。
ただし、無申告加算税は申告期限を1か月過ぎたタイミングから課税されるため、それ以内に地主申告をすれば非課税となります。
延滞税は、付期限の翌日から納付日までの日数に応じて増えていき、納期期限の翌日から2か月を経過する日までは年7.3%、それ以降は14.6%です。
余分な税金を支払うことにならないよう、申告は必ず期限内に済ませ、もし申告忘れに気づいたら速やかに税務署へ連絡しましょう。
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まとめ
不動産を相続したら、不動産の取得を知った日から3年以内に名義変更をおこなう必要があります。
相続税が発生する場合は、被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10か月以内に申告・納付をしなければなりません。
また、被相続人が家賃収入を得ていた場合などは、準確定申告も必要になるので、相続後の手続きは早めに取りかかりましょう。
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