相続放棄した場合の実家の解体費用は誰が負担する?放置するデメリットも解説
- この記事のハイライト
- ●実家を相続放棄した場合はほかの相続人や相続財産を管理する法人が選任した方が解体費用を負担することになる
- ●建物の構造や廃材の量など家の状況によって費用の相場は異なる
- ●解体せずに放置してしまうと近隣住民とのトラブルを招いたり特定空家に指定されたりといったデメリットが生じる
現金や不動産といったプラスの財産より、借金や未払いの税金などが多い場合、相続放棄を選ぶケースが多いです。
築年数の経過した実家や空き家は、所有するリスクが高いため、相続しないという選択肢もあります。
では、その家を解体する場合、解体費用は誰が負担するのでしょうか。
今回は相続放棄した実家の解体費用をテーマに、費用は誰が支払うのか、相場やそのまま放置するデメリットについて解説します。
一宮市や名古屋市、西尾張エリアで不動産を相続するご予定の方は、ぜひ参考になさってください。
相続放棄した実家の解体費用は誰が負担する?
まずは、相続放棄した実家の解体費用は、誰が負担するのかについて解説します。
誰が負担するのか1:ほかの財産を取得する権利を持つ方
相続放棄した場合、ほかの財産を取得する権利を持つ方が、費用を負担することになります。
財産を取得する権利を持つ方とは、相続人のことです。
相続人に該当する方は複数いらっしゃいますが、下記のとおり、放棄する優先順位が決まっています。
- ●第一順位:夫や妻などの配偶者
- ●第二順位:子どもや孫、ひ孫
- ●第三順位:父親や母親、祖父や祖母
- ●第四順位:兄弟や姉妹、甥や姪
上記の順番で、相続権が回ってくることになります。
もっとも優先順位が高いのは配偶者です。
配偶者が実家を相続放棄した場合、第二順位である子どもや孫、ひ孫が実家の相続権を持つ相続人となります。
そのあとも、第三順位、第四順位と、財産を取得する権利が移行します。
誰が負担するのか2:相続財産を管理する法人が選任した方
全員が実家の取得を拒否した場合、誰が費用を負担するのかというと、相続財産を管理する法人が選任した方です。
相続財産法人とは、相続財産の管理を専門的におこなっている者を指します。
家庭裁判所より、そのエリアの弁護士が選任されるのが一般的です。
選任された者は債権者に対して遺産分与をおこない、解体費用を誰が負担すべきなのかを決定します。
誰が負担するのか3:実家に住んでいたり訪問頻度が高かったりする方
弁護士が選任されない場合、実家に住んでいたり訪問頻度が高かったりする方が、支払うことになります。
「実家に住んでいたり訪問頻度が高かったりする=財産を占有している」とみなされるからです。
財産を占有している場合、その財産に対する管理義務が発生します。
たとえ取得する権利を放棄したとしても、ほかの方が費用を支払わない場合、解体費用を負担する可能性が高いです。
しかし、法的に支払い義務が生じるわけではないので、状況に応じて判断されることになるでしょう。
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相続放棄した実家の解体費用の相場
続いて、相続放棄した実家の、解体費用の相場について解説します。
相場はどのくらい?
解体費用の相場は、実家の状況によって異なります。
構造別の坪単価の相場は、下記のとおりです。
- ●木造:3万円~4万円
- ●鉄筋コンクリート造:6万円~8万円
- ●鉄骨造:5万円~7万円
木造であれば、坪単価が3万円~4万円が相場となります。
頑丈な建物ほど、解体に時間がかかるため、相場が高くなるのが一般的です。
相続放棄した実家がどの構造で建てられているかわからない場合は、建物の登記簿謄本や重要事項説明書などから確認することができます。
相場を左右するポイント
先述のとおり、相場は建物の構造によって変わります。
しかし、建物の構造以外にも相場に影響するポイントがあるので、実家がどのような状況にあるのかを確認することが大切です。
解体費用の相場を左右するポイントとして、下記が挙げられます。
- ●立地
- ●大きさ
- ●廃材の量
立地が影響する理由は、住宅密集地や接する道路が狭い場合、重機がスムーズに侵入できなくなります。
そのような場合、人の手でおこなう作業が増えるため、解体費用は高くなりやすいです。
実家が広い場合、その分解体に時間や手間がかかります。
平屋よりも3階建てのほうが工事期間が長引くので、大きい家の場合はコストがアップするでしょう。
また、解体することによって、多くの廃材が出ることになります。
廃材はそのままごみとして排出することができないので、木材や金属、ガラスという風にまずは分別をおこなうのが一般的です。
廃材の量が多ければ、分別に手間や時間がかかるため費用が高くなります。
工事期間がどのくらいかかるのか、人件費はいくら必要なのか、工事内容を含めて全体の費用が決定します。
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相続放棄した実家をそのまま放置するデメリット
最後に、相続放棄した実家をそのまま放置するデメリットについて解説します。
デメリット1:近隣住民とのトラブルを招く恐れがある
放置するデメリットとしてまず挙げられるのが、近隣住民とのトラブルを招く恐れがあることです。
もし空き家になっている場合、誰も住んでいないため、ごみが不法投棄されたり庭の雑草が伸び放題になったりするケースがあります。
そのような家は、犯罪の温床になりやすいです。
また、ごみが不法投棄されたり庭の雑草が伸び放題になっていたりする空き家は、景観の悪化も招きます。
景観が著しく悪化することにより、そのエリアの資産価値が下がる可能性も否めません。
近隣住民に迷惑をかけることになり、関係性が悪化する恐れもあるでしょう。
たとえ空き家であっても放置せず、適切に管理していく必要があります。
デメリット2:放火される可能性がある
放火される可能性があることも、放置するデメリットの一つです。
先述のとおり、管理がおこなわれていない空き家は、ごみが不法投棄されたり庭の雑草が伸び放題になったりするケースがあります。
そのような状態でもし放火されてしまうと、ごみに火が燃え移り、大火災を招いてしまう可能性があるでしょう。
近隣住民が被害を受けた場合、損害賠償請求に応じる必要が出てくる可能性もあります。
相続放棄した実家が遠方にあり、管理が難しい場合は、解体したり売却したりといった対策が必要です。
デメリット3:特定空家に指定される可能性がある
デメリットとして、特定空家に指定される可能性があることも挙げられます。
特定空家とは、放置することによって、危険性が高まる空き家のことです。
相続放棄した家が、下記のような状態の場合、指定される可能性が高くなります。
- ●必要な修繕がおこなわれず、建物が倒壊する危険性がある
- ●ごみが不法投棄され衛生環境が悪化している
- ●門や扉が施錠されておらず容易に侵入でき、犯罪の温床になり得る
- ●外壁の落書きや割れた窓ガラスがそのまま放置され、景観の悪化を招いている
特定空家に指定された場合、最終的には行政代執行により、強制的に解体されてしまいます。
かかった解体費用は、所有者に対して請求されます。
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まとめ
実家を相続放棄すると、解体費用はほかの相続人や、相続財産を管理する法人が選任した方が負担することになるのが一般的です。
建物の構造や立地、広さや廃材の量など、家の状況によって費用の相場は異なります。
解体せずに放置してしまうと、近隣住民とのトラブルを招いたり放火のリスクが高まったり、特定空家に指定されたりといったデメリットが生じることになります。
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