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不動産相続の生前準備!争族・節税・認知症のそれぞれの対策を解説

不動産コラム

渡邉 幸平

筆者 渡邉 幸平

不動産相続の生前準備!争族・節税・認知症のそれぞれの対策を解説

この記事のハイライト
●不動産相続の争族対策としては法的な効力がある公正証書遺言書の作成が有効である
●不動産相続節税対策としては生前贈与がおすすめである
●不動産相続における認知症対策では家族信託や任意後見制度で備えておくと良い

相続する遺産のなかに不動産がある場合は、相続人同士でトラブルになりやすいといった傾向にあります。
そのため、相続が発生する前の生前から争族対策や節税対策などをおこなっておくと良いでしょう。
そこで、不動産相続で生前に準備できる争族対策・節税対策・認知症対策についてそれぞれ解説します。
一宮市・名古屋市・西尾張で不動産を相続する予定がある方は、ぜひ参考になさってください。

不動産相続における生前準備:争族対策について

不動産相続における生前準備:争族対策について

不動産相続では、遺産相続などを巡って親族が争うケースがよく見られます。
そのため、生前に準備できる争族対策をおこなっておくのが望ましいといえるでしょう。
争族対策とは、遺産相続に関する争いが起こらないように対策を講じておくことをいいます。
ここでは、そもそも争族はなぜ勃発するのか、また生前に準備できる争族対策について解説します。

争族が起こる理由とは

争族は、遺産分割や相続分を巡って親族間で争いごとが起きることをいいます。
自分たちは親族が仲が良いから関係ないと思っていても、いざ相続が始まると巻き込まれてしまうことも少なくありません。
では、そもそもなぜ争族は起こるのでしょうか。
争族が起こる理由には、いくつかのパターンがあります。
たとえば、遺言の問題、生前贈与の問題、寄与分の問題、遺産分割の問題などです。
それぞれが置かれている状況が違ったり価値観が違ったりするため、ちょっとした言葉に反応して感情的になり、争いが発生しやすい状況になります。
また、法律や相続についての知識が浅いことから、断片的な知識で話し合うことになってしまい、結果的に誤解や不信感が生まれ、争族に発展します。

争族対策には遺言書の作成が有効

争族を回避するためには、生前に遺言書を作成しておくことが有効です。
遺言書がない場合は、遺産分割協議(相続人全員で遺産分割について話し合う)をおこなわなければなりません。
しかし、遺産分割協議は、遺産分割方法などを巡って相続人同士でトラブルになるケースがあります。
一方で、遺言書が作成されていれば、原則として遺言書の内容が優先され遺産を分割することになるため、トラブルを回避できます。
ただし、遺言書を作成する際は、ほかの相続人の遺留分を侵害していないか、配慮する必要があるでしょう。
遺留分とは、法定相続人(兄弟姉妹)が最低限保証されている遺産の取り分のことです。
仮に遺留分を侵害した内容の場合は、争族対策のために作成した遺言書が、かえって争いを招くことになるため注意しましょう。
なお、遺言書を作成するときは、公証人が作成する公正証書遺言だと無効になる恐れがないため安心です。

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不動産相続における生前準備:節税対策について

不動産相続における生前準備:節税対策について

相続が発生すると、相続財産に応じて相続税がかかります。
とくに不動産など価値が高い遺産を相続すると、高額となるケースもあるため注意が必要です。
ここでは、生前にできる節税対策として生前贈与について解説します。

節税対策には生前贈与が有効

生前贈与とは、生前にほかの方に無償で譲る行為のことをいいます。
相続時の節税対策として、この生前贈与がおすすめです。
生前贈与は現金だけでなく、不動産や有価証券などもできます。
仮に、これから評価額が高くなる不動産の場合は、生前贈与が有効な手段といえるでしょう。
なぜなら、財産評価は贈与時点のものとなり、その後評価額が上がっても相続時に影響しないからです。
そのため、相続時の節税対策として生前贈与はおすすめです。

生前贈与のメリット・デメリット

生前贈与のメリットは、節税効果が高いこと以外にも、確実に希望する相手に財産を渡せる点です。
通常の相続であれば、遺産分割協議にて誰が遺産を引き継ぐか決めます。
一方で、生前贈与は自らが取得者を選ぶことができます。
しかし、生前贈与にもデメリットがある点に注意しなければなりません。
生前贈与は、不動産取得税や登記の登録免許税が相続よりも高額になる点です。
また、一度贈与すると万が一取り消しをおこないたい場合でも、基本的に取り消すことができません。
そのため、生前贈与をする際は、メリットだけでなくデメリットも考慮し慎重な判断が求められます。

生前贈与したほうが良いケース

前述したことを踏まえて生前贈与したほうが良いケースは、以下の4つの場合です。

  • ●将来値上がりすることが見込まれる不動産がある
  • ●高収益の賃貸不動産がある
  • ●確実に特定の誰かに取得させたい場合
  • ●生前贈与の必要性が高い場合

上記の4つのケースに当てはまる場合は、生前贈与が向いているといえます。
所有する不動産の近隣で開発計画が進んでいるような場合は、地価が上昇する可能性が高いでしょう。
このような場合は、値上がり後に相続するよりも贈与税を納めたほうが税金を抑えることができます。
そのほかにも、不動産の賃料収入がある場合や、早めに不動産を贈与したい場合、特定の誰かに贈与したい場合にもおすすめです。

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不動産相続における生前準備:認知症対策について

不動産相続における生前準備:認知症対策について

認知症になると判断能力が失われるため、遺言書の作成や生前贈与の実施、不動産の売却など、上記でご説明した争族対策や節税対策もおこなうことができません。
そのため、本人の意思が確認できるうちに、認知症対策をおこなっておくことをおすすめします。
ここでは、生前に準備できる認知症対策として、家族信託と任意後見制度について解説します。

認知症対策1:家族信託

家族信託とは、自分の財産を信頼できる家族に託して管理などを任せることをいいます。
家族信託は、認知症対策として近年注目されている方法の1つです。
元気なうちから家族に財産の管理などを任せれば、万が一認知症を発症したときでも安心です。
また、家族信託では、財産を相続する方を指定できるため、相続対策としても活用できるメリットもあります。
1次相続だけでなく2次相続以降も遺産の承継者を決められるため、先々の世代まで相続対策をしたい場合は有効です。
家族信託を利用するには、本人と家族が信託契約を結んでおく必要があります。

認知症対策2:任意後見制度

任意後見制度とは、認知症になった場合に事前に指定していた方に自分の財産管理をしてもらう制度です。
認知症になり判断能力が低下すると、預貯金を引き出せなくなってしまいます。
そこで、任意後見制度を利用していれば、後見人が代わりに預金を引き出すことができます。
任意後見制度を利用するためには、裁判所にて手続きをおこなわなければなりません。
手間や費用がかかるデメリットはあるものの、認知症になったときのために備えておくのが良いでしょう。
なお、家族信託や任意後見制度は、認知症が発症すると契約を締結できなくなります。
また、前述したように、争族対策による遺言書作成や、生前贈与などもできません。
そのため、認知症対策については早めにおこなっておくことをおすすめします。

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まとめ

不動産相続では、相続人同士でトラブルになるケースも多いため、遺言書を作成するなどで争族対策をおこなっておくことをおすすめします。
また、相続時には遺産の種類によって相続税が高額となるケースも多いため、生前贈与などで対策をしておくと安心です。
認知症が心配される場合や将来のことを考えた対策をおこなう場合は、任意後見制度や家族信託の利用を検討してみましょう。
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この記事の執筆者

このブログの担当者 
渡邉 幸平

◇一宮市・名古屋市内全域を中心に、
不動産仲介及び買取り事業を行っております。
◇一宮市出身の私は、元銀行系不動産売買仲介会社等に従事した経験があり、実績豊富です。
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