数次相続とは?知っておきたい注意点や不動産相続の際の手続き方法も解説!

不動産コラム

渡邉 幸平

筆者 渡邉 幸平

数次相続とは?知っておきたい注意点や不動産相続の際の手続き方法も解説!

この記事のハイライト
●相続手続きが終わる前に相続人が亡くなって次の相続が発生する状況を数次相続という
●数次相続の注意点には相続税の申告と納税義務に関することや申告期限に関することなどがある
●不動産の数次相続で中間の相続人が1人の場合は中間省略登記をおこなうと負担が軽減する

相続には、さまざまなケースが考えられます。
たとえば、手続きの途中で相続人が亡くなってしまうこともあるでしょう。
そこで今回は、そのような場合に発生する数次相続について、注意点や手続き方法などもふまえて解説します。
一宮市や名古屋市、西尾張で不動産を相続する可能性があり、数次相続について知りたいとお考えの方はぜひご参考にしてください。

不動産などの相続において数次相続になるケースとは

不動産などの相続において数次相続になるケースとは

相続が発生すると、通常は相続人が現金や不動産などの財産を受け取ります。
しかし、財産を受け取る前に相続人が亡くなってしまうこともあるでしょう。
少し特殊なケースではありますが、人はいつ亡くなるかわかりません。
万が一に備えて、そのような場合はどうするのか、事前に確認しておくと良いでしょう。
財産を受け取る前に相続人が亡くなると発生する相続には、数次相続と代襲相続があります。
どちらに該当するかは、相続人が亡くなったタイミングによって決まるので、それぞれ確認してみましょう。

数次相続に該当するケースとは

数次相続とは、相続手続きが終わる前に相続人が亡くなり、次の相続が発生する状況のことです。
つまり、被相続人のほうが先に亡くなっている場合に発生します。
たとえば、被相続人が亡くなって配偶者と子どもが相続人となり、手続き途中に配偶者が亡くなったケースなどが考えられます。
相続手続きを長い間放置していた場合も、発生する可能性があるでしょう。
数次相続の場合は相続人に変更はなく、最初の相続から順番に手続きをします。

代襲相続に該当するケースとは

代襲相続とは、本来の相続人がすでに亡くなっており、その方に子どもがいる場合に発生する相続です。
つまり、相続人が被相続人よりも先に亡くなっている場合に発生します。
たとえば、被相続人が亡くなって本来の相続人が配偶者と子どものAさんである場合に、Aさんがすでに亡くなっているとしましょう。
この場合、Aさんに子どもがいるときは子どもが代襲相続人となり、Aさんに代わって被相続人の財産を相続します。
Aさんの子どももすでに亡くなっている場合は、その子どもがいれば代襲相続人になります。
なお、Aさんに子どもがいない場合は、代襲相続は発生しません。
その場合は、次順位の相続人に相続権が移ります。
次順位は親や祖父母などの直系尊属であり、それらの方もすでに亡くなっている場合は、その次の順位である兄弟姉妹に相続権が移ります。
そして、兄弟姉妹がすでに亡くなっている場合にも代襲相続が発生する可能性があるので、覚えておきましょう。
ただし、兄弟姉妹の子どもがすでに亡くなっている場合は、その子どもが代襲相続人になることはありません。
この点は被相続人の子どもがすでに亡くなっているケースと異なるので、しっかりと押さえておきましょう。

▼この記事も読まれています
相続後の不動産売却での注意点とは?名義・売却期限・媒介契約の選び方を解説

不動産などの数次相続が発生した場合の注意点

不動産などの数次相続が発生した場合の注意点とは

数次相続が発生すると、通常とは異なる点が生じます。
そのため、思い違いによって手続きがスムーズに進まないなど、支障が生じることがあるかもしれません。
事前に注意点を押さえておくと、そのような心配が軽減するので、とくに押さえておきたい4点を確認しておきましょう。

相続税申告と納税義務に関する注意点とは

数次相続が発生した場合、亡くなった相続人の相続税申告と納税義務は、その方の相続人に引き継がれます。
相続人が亡くなってもこれらの義務は残るので、相続財産が基礎控除額を上回る場合は、きちんと相続税の申告と納税をおこないましょう。
なお、申告と納税が必要かどうかを知るためには、相続財産の合計金額を調べる必要がありますが、財産には現金や預金だけではなく不動産や有価証券なども該当します。
財産が多い場合や、おもな財産が不動産の場合などは、調査に時間がかかるかもしれません。
相続税の申告と納税には期限が設けられているので、間に合うように手続きを進めましょう。

申告期限に関する注意点とは

相続税の申告と納税の期限は、通常は被相続人が亡くなったことを知った日の翌日から10か月以内です。
ただし、申告するはずだった相続人が亡くなった場合は、その方が亡くなったことを知った日の翌日から10か月以内に変わります。
手続きは2つになりますが、はじめの相続の期限が延びるので、負担が少し軽減するでしょう。
なお、期限が延長されるのはどちらの相続人でもある方だけです。
はじめの相続だけ相続人である方は延長されないので、注意しましょう。

遺産分割協議に関する注意点とは

遺産分割協議に関する注意点は、はじめの相続の話し合いに、次の相続の相続人も参加しなくてはならないことです。
その理由は、遺産分割協議は相続人全員でおこなう必要があるためです。
はじめの相続人だけで遺産の分け方を決めても成立しないので、注意しましょう。

相続放棄に関する注意点とは

数次相続でも、相続放棄は可能です。
そして、はじめの相続は放棄して、次の相続は承認することもできます。
ただし、逆のパターンはできないので注意しましょう。
なお、相続放棄を希望するときは、相続の開始を知った日から3か月以内に手続きをおこなう必要がある点にも注意が必要です。

▼この記事も読まれています
相続時精算課税制度の概要とは?計算方法と注意点を解説

不動産などの数次相続が発生した場合の手続き方法

不動産などの数次相続が発生した場合の手続き方法とは

数次相続の場合は注意点だけではなく、手続き方法にも通常と異なる点があります。
相続財産に不動産がある場合は、相続登記の手続き方法もあわせて確認しておいたほうが良いでしょう。
相続手続きの大まかな流れは、以下のとおりです。

  • ●相続人を確定する
  • ●遺産分割協議書を作成する
  • ●相続登記をおこなう

これらの手続きの方法について、それぞれ確認しておきましょう。

相続手続きの方法①相続人を確定する

まずやるべきことは、相続人の確定です。
数次相続の場合は、はじめの相続と次の相続の相続人をすべて確定しなくてはなりません。
相続人を調べるときは、被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本を取得します。
複数の相続が関係するので、見落としなどがないように注意しながら確認しましょう。

相続手続きの方法②遺産分割協議書を作成する

相続人が確定したら遺産分割協議をおこない、成立したら遺産分割協議書を作成します。
先述のとおり、はじめの相続の話し合いには、次の相続の相続人も参加する必要があるので注意しましょう。
また、相続財産に不動産がある場合も注意が必要です。
不動産は分割しにくい財産であり、分け方について意見が合わずトラブルになることが多々あるためです。
相続人全員が合意しないと、遺産分割協議は成立しません。
そのため、不動産の分け方がいつまでも決まらないと、そのほかの財産も分けることができません。
解決方法のなかでは、不動産を売却して現金を分ける方法がおすすめです。
不動産を現金化すると、希望どおりに分けることができます。
不動産は手放すことになりますが、必要に応じて検討してみましょう。

相続手続きの方法③相続登記をおこなう

相続登記とは、不動産の名義を被相続人から相続人に変更する手続きです。
原則として、複数の相続登記でもひとつずつ手続きが必要なので、数次相続の場合は手間がかかります。
ただし、中間の相続人が1人しかいない場合は、当初の名義人から最終の相続人へ直接名義を変更できます。
これを中間省略登記といい、登録免許税や手続きの手間が1回分で済むので、該当する場合は利用しましょう。

▼この記事も読まれています
相続時に請求できる寄与分とは?認められる要件と特別寄与料も解説

まとめ

数次相続が発生した場合は、はじめの相続から順番に手続きをおこないます。
相続税の期限は延びる可能性がありますが、申告と納税義務はなくならず、相続人に引き継がれます。
ほかにも注意点があり、手続き方法にも通常の相続とは異なる部分があるので、確認しながら慎重に進めましょう。
一宮市の不動産売却・買取のご相談は地域密着の一宮市不動産売却センターにお任せください。
相続不動産や空き家・空地などを売りたい、というお悩みや心配ごとは弊社が無料で相談を承ります。
ご遠慮なくお問い合わせください。




一宮市の不動産売却なら株式会社カナエル不動産にお任せください!


お気軽にご相談ください!!



この記事の執筆者

このブログの担当者 
渡邉 幸平

◇一宮市・名古屋市内全域を中心に、
不動産仲介及び買取り事業を行っております。
◇一宮市出身の私は、元銀行系不動産売買仲介会社等に従事した経験があり、実績豊富です。
いつでもお気軽にご相談ください! 

”不動産コラム”おすすめ記事

  • 土地の名義変更が必要となるケースとは?流れとかかる費用も解説の画像

    土地の名義変更が必要となるケースとは?流れとかかる費用も解説

    不動産コラム

  • 相続した土地が売れない理由とは?所有し続けるデメリットや対処法を解説の画像

    相続した土地が売れない理由とは?所有し続けるデメリットや対処法を解説

    不動産コラム

  • 相続の際に知っておきたい相続土地国庫帰属制度とは?費用やメリットも解説の画像

    相続の際に知っておきたい相続土地国庫帰属制度とは?費用やメリットも解説

    不動産コラム

  • 相続における換価分割とは?メリットやかかる税金についても解説の画像

    相続における換価分割とは?メリットやかかる税金についても解説

    不動産コラム

  • 相続における現物分割はどんな場合におすすめ?メリットとデメリットも解説!の画像

    相続における現物分割はどんな場合におすすめ?メリットとデメリットも解説!

    不動産コラム

  • 土地相続でよくあるトラブルとは?事例を解決策とともに解説の画像

    土地相続でよくあるトラブルとは?事例を解決策とともに解説

    不動産コラム

もっと見る