相続した不動産が未登記!未登記のまま放置するデメリットと相続方法を解説

不動産コラム

渡邉 幸平

筆者 渡邉 幸平

相続した不動産が未登記!未登記のまま放置するデメリットと相続方法を解説

この記事のハイライト
●不動産が未登記になっているのは表題登記を作成していなくても不便を感じないからである
●未登記のまま放置すると不動産売買時に支障がでたり権利関係が複雑化したりするデメリットが生じる
●未登記の不動産を相続する場合は遺産分割協議後に法務局にて表題登記の申請と相続登記をおこなう

不動産を相続すると、亡くなった方から相続人へ名義を変更する「相続登記」をおこなう必要があります。
しかし、相続登記する際に「未登記となっていた」と、あとから判明するケースがあるのです。
そこで、未登記の不動産となっている理由や、未登記のままにしておくデメリットと未登記の不動産を相続する方法を解説します。
一宮市・名古屋市・西尾張で未登記の不動産を所有している方、もしくは未登記の不動産を相続する予定がある方は、ぜひ参考になさってください。

相続した不動産が未登記になっている理由とは?

相続した不動産が未登記になっている理由とは?

相続した不動産が未登記だと判明した場合、どうしたら良いのでしょうか。
未登記のままの不動産を放置しておくことは、多くのデメリットが生じる可能性があるため注意しなければなりません。
しかし、そもそもなぜ未登記の不動産が存在するのでしょうか。
ここでは、未登記とはどのような不動産なのか、また未登記となっている理由について解説します。

未登記の不動産とは

未登記の不動産とは、本来義務のある土地や建物といった不動産の登記登録をおこなっていない建物のことです。
登記とは、不動産の所有者や所在地を登録して管理するもので、不動産を取得した際は1か月以内に登記することが義務付けられています。
しかし、何らかの理由で登記せずに未登記状態となっていることがあります。
未登記の不動産は、登記上の所在および所有者が不明な状態であり、本来であれば登記簿に記載されているはずの所有権や抵当権を示すことができません。
未登記の状態でも、その不動産に住むことはできますが、将来的に法的手続きをおこなう場面で支障が出てくるでしょう。

なぜ未登記の不動産が存在するのか?

未登記の不動産が存在する理由は、下記が原因と見られます。

  • ●自己資金で取得したため
  • ●登記しなくても不便を感じないため
  • ●法務局から催促されることがないため

法律で義務付けられている表題登記ですが、実際は売買をしたり、増改築のためにローンを組んだりしない限りは、表題登記がなくても不便を感じることはありません。
また、住宅ローンを利用せず、自己資金で不動産を購入した場合も、未登記の不動産となっていることがあります。
通常、住宅ローンを利用すると、不動産に抵当権が設定されるため、登記簿の作成が必要になります。
しかし、自己資金で購入した場合は、登記をしなくても困ることはありません。
法務局から催促されることもないため、未登記のままにしている方が多くなってしまうのです。

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相続した未登記の不動産はそのままでも良い?登記しないデメリットとは

相続した未登記の不動産はそのままでも良い?登記しないデメリットとは

未登記の不動産をそのまま放置することは、多くのデメリットや問題が生じてしまうため避けるべきでしょう。
ここでは、未登記の不動産を登記せずに放置するデメリットを解説します。
おもなデメリットは以下の3つです。

  • ●過料が科される
  • ●不動産売買に支障が出る
  • ●権利関係が複雑化する

それぞれのデメリットについてご説明します。

デメリット①過料が科される

令和6年4月から不動産を相続した場合の相続登記は、義務化されることになりました。
しかし、新築した建物の表題部登記については、法改正前から登記が義務付けられています。
新築した建物を取得した場合は、1か月以内に表題登記の申請をしなければなりません。
これに違反した場合は、10万円以下の過料に処せられるため注意が必要です。
このように、未登記建物はそもそも登記する義務があるため、そのままにせずに早期に登記手続きしましょう。

デメリット②不動産売買に支障が出る

未登記の不動産でも不動産売買すること自体は可能です。
しかし、未登記のままだと、売主の建物だと証明することができないため、買主が購入しても自分のものだと主張することができません。
また、住宅ローンを組むときも支障が出てしまいます。
金融機関から融資を受けて不動産を購入する場合、金融機関は抵当権を設定します。
しかし、登記がなければ、買主は融資を受けることができず、現金一括購入が必要となってしまうのです。
現金一括で購入できる買主は稀なため、結果的に購入を断念せざるを得ない状況になり、売買が成立しません。
このように、未登記状態の不動産は、売買する際も問題が生じてしまうため注意しなければなりません。

デメリット③権利関係が複雑化する

未登記状態の不動産を放置すると、権利関係が複雑化するデメリットも生じます。
長い期間が過ぎると、相続が何代にもわたっておこなわれ、雪だるま式に相続人が増えていってしまいます。
相続人が増えると、所有者を把握しきれなくなるだけでなく、不明者がいたり、会ったことがないような方と話し合いすることにもなり兼ねません。
このように、未登記のまま放置すると、権利関係が複雑になり、解消したくても、すぐにはできないといった事態が生じてしまうため注意が必要です。

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未登記の不動産を相続する方法と流れ

未登記の不動産を相続する方法と流れ

未登記の不動産を相続することになった場合、どのように相続すれば良いのでしょうか。
ここでは、未登記の不動産を相続する方法と、登記済みの不動産を相続する方法を解説します。

未登記のまま相続する方法

相続が発生すると、まずは相続人全員で遺産分割協議をおこないます。
遺産分割協議では、誰が何をどのような割合で相続するのかを話し合います。
未登記の不動産についても、誰が相続するのかを決めなければなりません。
なお、未登記の不動産を共有分割により共有名義にしてしまうと、将来不動産を活用する際にトラブルになり兼ねないため、できれば単独で相続するのがおすすめです。
遺産分割協議がまとまれば、遺産分割協議書を作成し、相続人全員が署名と押印をします。
未登記の不動産は、法務局に「表題登記の申請」をおこない、登記簿が作成されたら続けて権利部登記もおこないます。
権利部登記とは、相続登記(亡くなった方から相続人への名義変更)の手続きのことです。
申請時は、登記申請書以外にも相続に関する書類、住民票、建物の図面などが必要です。
なお、これら一連の登記は、専門的知識が必要になることから、司法書士へ依頼するのが良いでしょう。

登記済みの不動産を相続する方法

登記済みの不動産を相続した場合は、表題登記の申請は不要なため相続登記のみをおこないます。
前述したように、相続登記は義務化されたため、必ず手続きしなければなりません。
相続登記は、相続が開始して所有権を取得したことを把握してから3年以内に手続きしなければならないため注意しましょう。
不動産の所在地を管轄する法務局に出向き、申請手続きをおこないます。
期限までに手続きしない場合は、10万円以下の過料が科される可能性があるため、忘れずにおこなうようにしましょう。

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まとめ

自己資金で不動産を購入した場合など、登記を申請しなくても不便がないことから、不動産が未登記のままとなっているケースがあります。
しかし、未登記のままだと、不動産売買する際に買主がローンを組めなかったり、権利関係が複雑化したりと多くのデメリットが生じるため避けるべきでしょう。
そのため、未登記の不動産を所有している場合や相続する予定がある場合は、早めに手続きをおこなうことをおすすめします。
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このブログの担当者 
渡邉 幸平

◇一宮市・名古屋市内全域を中心に、
不動産仲介及び買取り事業を行っております。
◇一宮市出身の私は、元銀行系不動産売買仲介会社等に従事した経験があり、実績豊富です。
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