相続税における「更正の請求」とは?期限や手続きの流れなどを解説!の画像

相続税における「更正の請求」とは?期限や手続きの流れなどを解説!

不動産コラム

渡邉 幸平

筆者 渡邉 幸平

相続税における「更正の請求」とは?期限や手続きの流れなどを解説!

この記事のハイライト
●納めた税金が多かった場合に返還してもらう手続きを更生の請求という
●更生の請求が生じるのは未分割の遺産を分割したり相続人が異動したりしたとき
●税務署での申告により更生の請求が認められると払いすぎた税金の還付を受けられる

相続税を納めたあとに、間違いに気付いたり状況が変わったりすることがあります。
相続税を納め過ぎていた場合は、更正の請求をすることで、超過分を返還してもらうことが可能です。
そこで今回は更正の請求とは何か、更正の請求が生じるケースや手続きの流れについて解説します。
一宮市や名古屋市、西尾張で相続税を支払い過ぎたかもしれないとお悩みの方は、ぜひ参考にご覧ください。

\お気軽にご相談ください!/

相続税における「更正の請求」とは

相続税における「更正の請求」とは

相続税の支払いは、人生でそう何度も経験するものではありません。
そのため、相続税に関する制度を詳しく知らないという方も多いでしょう。
相続税における更生の請求とは、支払いすぎた税金を返還してもらう手続きをいいます。
まずは、更生の請求の基礎知識として、概要と請求期限について解説します。

更生の請求とは

相続により財産を取得すると、相続税が課税されます。
相続税は固定資産税や市民税などと違って、ご自身で申告・納税しなければなりません。
金額が記載された納税書が届くわけでもないため、計算ミスによって余分に納税してしまうこともあるでしょう。
このような場合に、税務署で「更生の請求」をすると、払い過ぎた相続税の還付が受けられます。
反対に、納税額に不足がある場合は、修正申告をして足りない分を納めなければなりません。

更生の請求には期限がある

更生の請求は、いつでもできるわけではありません。
申請の期限は「相続税の納付期限(相続の開始を知った日の翌日から10か月以内)から5年以内」と定められています。
つまり、相続税の返還を受けたい場合は、相続開始から5年と10か月以内に手続きを済ませる必要があるわけです。
ただし特別な事情がある場合は、その事由が発生してから4か月以内に手続きをすれば良いとされています。

▼この記事も読まれています
相続後の不動産売却での注意点とは?名義・売却期限・媒介契約の選び方を解説

\お気軽にご相談ください!/

相続税における更正の請求が発生する主なケース

相続税における更正の請求が発生する主なケース

本来納めるべき税額を誤りなく支払っていれば、更正の請求は必要ありません。
そもそも、なぜ「税金の払い過ぎ」が発生するのでしょうか。
相続税の払い過ぎによる更正の請求は、おもに次のような場合に起こります。

  • 不動産の過大評価
  • 未分割財産の分割
  • 相続人の異動
  • 遺言書の発見

それぞれの内容について順番に解説します。

不動産の過大評価

相続の対象となる財産には、現金や預貯金だけでなく、土地や建物といった不動産も含まれます。
不動産を相続する際には、その不動産にどのくらいの価値があるのか、評価額を求めなければなりません。
土地の評価額は「路線価×面積」で求めますが、形状や立地によっては減額補正率が考慮され、評価が下がることがあります。
この減額補正率を考慮せずに税額を算出し、後から税金を余分に支払っていたと気づくケースは珍しくありません。
不動産の過大評価による税金の払い過ぎは、納税者がご自身で計算・申告をおこなった場合に多く起こりがちです。
「減額補正率を考慮せずに計算したかも」と不安な場合は、税理士なども専門家に相談することをおすすめします。

未分割財産の分割

複数の相続人がいる場合は、基本的に法定相続割合で遺産を分割しますが、全員の同意があれば異なる割合での分割も可能です。
異なる割合で分割する場合は、だれが、どの財産を、どの割合で分割するのか相続人全員で話し合わなければなりません。
これを「遺産分割協議」といって、協議を成立させるには相続人全員の同意が必要です。
しかし不動産は現金と違って公平に分割するのが難しく、話し合いが長引く傾向にあります。
相続税の申告期限までに話がまとまらなければ、法定相続分で分割したと仮定して申告することが可能です。
遺産分割協議が進んだあとで、相続税の過払いが発覚した場合は、更生の請求によって超過分の還付が受けられます。

相続人の異動

相続税を納めたあとで、新たな相続人が見つかることもあります。
たとえば調査が不十分で相続人が漏れていたり、隠し子が名乗り出てきた場合などです。
後から相続人が発覚した場合、遺産を相続する人が増えるため、1人が取得する遺産の金額が少なくなります。
取得する財産の金額が少なくなるということは、そこに課税される相続税の額も低くなるということです。
相続税を余分に納めていたことになるため、更正の請求をおこなえば超過分を返金してもらえます。

遺言書の発見

被相続人が亡くなった際に、真っ先におこなうのが遺言書の確認です。
相続では遺言書の内容が最優先となり、遺言書の有無によって手続きが異なるためです。
被相続人が遺言書を残していない場合は、相続人全員で遺産分割協議をおこなう必要があります。
しかし遺産分割協議を終えたあとで、被相続人の遺品などから遺言書が発見されることがあります。
たとえ相続人全員が納得して協議がまとまっていても、遺言書が見つかればその内容が最優先です。
遺言書の内容によっては、遺産分割協議で決まった取得分より少なくなるがあるかもしれません。
取得分が少なくなるということは、その分納税額も低くなるということなので、更正の請求が認められます。
なお、未分割遺産の分割や相続人の異動、遺言書の発見などは「特別な事情」に該当するため、申請期限が延長されます。

▼この記事も読まれています
相続時精算課税制度の概要とは?計算方法と注意点を解説

\お気軽にご相談ください!/

相続税における更正の請求をおこなう際の手続きの流れ

相続税における更正の請求をおこなう際の手続きの流れ

相続税を払い過ぎていたことがわかったら、以下の流れに沿って手続きをおこないましょう。

  • 必要書類を準備する
  • 更生の請求をおこなう
  • 還付金が振り込まれる

それぞれの工程について順番に解説します。

①必要書類を準備する

更正の請求をおこなう場合、以下の書類を準備する必要があります。

  • 相続税の更正の請求書
  • 更正の請求書の次葉
  • 更正の請求に至る事由の証明資料
  • 本人確認書類

請求書や請求書の次葉などの申請書類は、国税庁のホームページから取得できます。

②更生の請求をする

必要書類が揃ったら、税務署に提出します。
税務署は提出書類の内容に基づいて調査をおこない、請求が妥当かどうか判断します。
書類の提出から審査が完了するまでは、2か月から3か月ほどかかるのが一般的です。
審査途中に税務署から内容確認の電話がかかってくることがあるので、知らない番号だからと無視しないようご注意ください。
なお、更生の請求をおこなう相続人が2人以上いる場合は、それぞれが手続きをおこなわなければなりません。

③還付金が振り込まれる

審査が完了して請求が認められると、その結果を記した更生通知書が郵送されてきます。
続いて「国税還付金振込通知書」が届き、あらかじめ指定した口座に還付金が振り込まれる流れです。
手間と時間はかかりますが、申請により税金が戻ってくる可能性があるため、面倒と思わずに手続きするのがおすすめです。
自分で手続きするのが不安な場合は、税理士などの専門家に相談しながら進めていくと良いでしょう。

▼この記事も読まれています
相続時に請求できる寄与分とは?認められる要件と特別寄与料も解説

まとめ

相続税は、相続の開始があったことを知った日の翌日から10か月以内に納めなければなりません。
申告後に税金を払いすぎていることに気づいた場合は、更生の請求により超過分の還付を受けられる可能性があります。
「相続税を支払いすぎたかもしれいない」と不安な場合は、相続税に詳しい税理士に相談することをおすすめします。
一宮市の不動産売却・買取のご相談は地域密着の一宮市不動産売却センターにお任せください。
相続不動産や空き家・空地などを売りたい、というお悩みや心配ごとは弊社が無料で相談を承ります。
ご遠慮なくお問い合わせください。




一宮市の不動産売却なら株式会社カナエル不動産にお任せください!


お気軽にご相談ください!!



この記事の執筆者

このブログの担当者 
渡邉 幸平

◇一宮市・名古屋市内全域を中心に、
不動産仲介及び買取り事業を行っております。
◇一宮市出身の私は、元銀行系不動産売買仲介会社等に従事した経験があり、実績豊富です。
いつでもお気軽にご相談ください! 

”不動産コラム”おすすめ記事

  • 不動産か現金か?相続するならどっちが得かを解説!の画像

    不動産か現金か?相続するならどっちが得かを解説!

    不動産コラム

  • 相続税の非課税枠とは?控除制度や計算方法を解説の画像

    相続税の非課税枠とは?控除制度や計算方法を解説

    不動産コラム

  • 事実婚のパートナーに財産を相続したい!相続権の有無や注意点などを解説の画像

    事実婚のパートナーに財産を相続したい!相続権の有無や注意点などを解説

    不動産コラム

  • 万が一に備えられる「家族信託」のやり方とは?必要書類や注意点も解説の画像

    万が一に備えられる「家族信託」のやり方とは?必要書類や注意点も解説

    不動産コラム

  • 相続対策で注目の家族信託とは?家族信託のメリット・デメリットを解説の画像

    相続対策で注目の家族信託とは?家族信託のメリット・デメリットを解説

    不動産コラム

  • 資産の組み換えとは?相続対策や資産組み換え時に利用できる特例を解説の画像

    資産の組み換えとは?相続対策や資産組み換え時に利用できる特例を解説

    不動産コラム

もっと見る