資産の組み換えとは?相続対策や資産組み換え時に利用できる特例を解説
- この記事のハイライト
- ●資産の組み換えとは節税などを目的に所有する資産を別の資産に交換すること
- ●資産の組み換えによって相続税の節税や相続人の負担軽減などの相続対策ができる
- ●資産の組み換えで不動産を購入したり売却したりすると特例による節税も可能
不動産や現金などの財産を相続する際は、相続税対策として生前に「資産の組み換え」をおこなう方がいらっしゃいます。
本記事では、資産の組み換えとは何か、資産の組み換えによって相続対策ができることや不動産の資産組み換え時に利用できる譲渡所得の特例制度について解説します。
一宮市・名古屋市・西尾張で相続をする予定の方は、ぜひ最後までご覧ください。
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資産の組み換えとは?
近年は、相続の際の資産運用の一環として「資産の組み換え」が注目を集めています。
資産の組み換えとは、節税などを目的に現在持っている資産を別の資産に交換することです。
たとえば、古くなったアパートを売却して、新しいマンションを購入したり、現金を土地などの不動産に変えたりすることなどが挙げられます。
このように資産を組み換えると、収益性の高い資産を得られるメリットもあります。
くわえて、手持ちの資金で新しい資産を購入できるため、借り入れ金を減らすことも可能です。
資産の組み換えの具体例は、以下のとおりです。
①一戸建てのマイホームを売却してマンションを購入
資産の組み換えの一例として、一戸建てを売却し、立地条件の良いマンションを購入する方法が挙げられます。
一戸建てを手放す理由はさまざまです。
たとえば、家の維持管理や近所付き合いが大変、防犯面で不安があるなどの理由が考えられます。
また、子どもが将来そこに住む予定がない場合も、一戸建てを手放すきっかけになるでしょう。
そういった場合に、立地の良いマンションを検討するメリットがあります。
買い物や交通の便がよくなり、オートロックがついているので防犯面も安心です。
さらにバリアフリー対応のため、高齢になっても安心して住み続けられます。
仮に子どもたちが将来そこに住まなくても、立地が良ければ売却しやすいという利点もあります。
②土地を売却し収益性の高い不動産に買い換え
相続対策の一環として、手持ちの土地を売却し、その代金で収益性の高い不動産物件を購入するのも1つの手です。
具体的には、保有する土地を処分して、その資金で都心の高級タワーマンションなどを取得します。
このように資産を組み換えると、相続税の計算上、評価額が下がり、結果として相続税負担を軽減できる可能性があります。
収益性の高い物件を選ぶポイントは、立地条件が良く価格下落リスクが低いこと、適正価格を下回る水準で購入できることです。
③古いアパートを売却し現金に変える
資産の組み換えの一例として、古くなったアパートなどの不動産を売却し、得た資金を現金や預金として保有する方法もあります。
この方法は、主に将来の相続対策を念頭に置いておこなうことが多いです。
不動産をそのまま保有していると、以下のような課題が生じる可能性があるためです。
- 相続時に不動産を分割するのが難しい
- 相続税の支払いに充てる資金がない
- 高齢になり不動産の管理が大変になる
- 老後の生活資金を十分に確保できない
一方、現金化しておけば、生前贈与を活用した計画的な相続対策が可能になります。
また、不動産は必ずしもすぐに売却できるとは限らないため、現金のほうが流動性に富んでいます。
このように、不動産の保有が負担となる場合には、売却して現金化すると、より有効な資産運用ができるでしょう。
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資産の組み換えによる相続対策とは?
生前に資産の組み換えをおこなうと、以下の相続対策が可能です。
相続対策①相続税の節税
資産の組み換えを活用すると、相続税の負担を軽減できる可能性があります。
相続税は、亡くなった方の残された財産に対して課される税金です。
相続開始時点での財産の価値が「相続税評価額」として計算の基礎になります。
この評価額の算出方法は、国税庁から示されている「財産評価基本通達」で定められています。
たとえば土地の場合は「路線価方式」または「倍率方式」で評価される決まりです。
路線価方式とは、国税庁が公表する「路線価」をベースに計算する方式です。
この路線価は、公示価格の80%相当の水準に設定されています。
このため、預金を土地に組み換えると、評価額を実質的に20%程度下げることができます。
一方の倍率方式は、固定資産税評価額に一定の倍率を掛ける方式です。
固定資産税評価額自体が公示価格の70%程度に設定されているため、倍率を乗じた後の評価額が公示価格を上回ることはほとんどありません。
相続対策②相続人の負担軽減
相続対策の意義は、単に相続税の節税にとどまらず、相続手続きの簡素化や、相続後の財産管理負担を軽減することにもあります。
たとえば、不動産を相続した場合、所有者は固定資産税の支払い義務が発生します。
さらに空き家となった建物は適切な管理を怠ると、老朽化にともなう倒壊リスクもあるでしょう。
くわえて2024年4月からは、不動産の相続登記が義務化されました。
もし亡くなった方の名義のまま不動産を放置すれば、相続登記を怠った罰則の対象となってしまいます。
こうした不動産の管理コストを抑えるため、事前に不動産を売却し現金に変えておくのも1つの手です。
生前から計画的に資産の組み換えを進めると、相続人の負担を最小限に抑えられます。
相続対策③どの種類で資産を相続するのが良いか
相続時の税負担を抑える観点から、どの種類の資産を相続するのが有利かを確認しましょう。
まず、現金よりも土地のほうが相続税の負担を軽減できます。
現金は額面どおりの評価となりますが、土地の場合は公示価格のおおむね80%で評価されるためです。
さらに、建物を相続した場合はより有利となります。
建物の評価は固定資産税評価額をベースにおこなわれますが、評価額は公示価格の70%前後に抑えられているためです。
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不動産の資産の組み換え時に利用できる税金の特例制度とは?
不動産を相続する際は、基礎控除額を超える相続分について、相続税が発生します。
また、資産の組み換えで不動産を売却した場合は、譲渡所得税が発生することもあります。
譲渡所得税とは、不動産の売却利益(譲渡所得)にかかる所得税・住民税・復興特別所得税の総称です。
不動産の譲渡所得税や相続税は、一定の要件を満たした場合、下記の特例により節税が可能です。
①小規模宅地等の特例
小規模宅地等の特例とは、一定の要件を満たす土地について、最大80%の評価減額を受けられる制度を指します。
自宅の敷地である場合、面積330㎡まで適用可能です。
たとえば、1億円の土地を自宅用地として購入し、この特例を適用すれば、相続税評価額を1,600万円まで引き下げられる計算になります。
②3,000万円の特別控除の特例
不動産の売却に際して活用できる特例の1つが「居住用財産の3,000万円特別控除」です。
売却した不動産が自らの居住用であった場合に適用でき、売却による利益(譲渡所得)から最大3,000万円を控除することができます。
たとえば、住み替えや施設入居のタイミングで自宅を売却すれば、マイホーム特例を適用できます。
また、相続した空き家についても、一定要件を満たせば3,000万円の特別控除の特例が適用可能です。
不動産の譲渡に関する特例制度を適切に活用するためには、確定申告が必要です。
確定申告の際に、特例を適用する旨を申告書に記載し、必要書類を添付しなければなりません。
要件を満たしている場合でも、申告書に特例適用の記載がないと、特例は適用されないため、ご注意ください。
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まとめ
資産の組み換えとは、不動産を売却して現金に変えるなど、所有する資産を別の資産に交換することです。
資産の組み換えによって相続税の節税や相続人の負担軽減などの相続対策ができます。
資産の組み換えで不動産を購入したり売却したりすると、特例による節税も可能です。
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