相続における養子縁組とは?養子縁組をおこなうメリットや注意点を解説
- この記事のハイライト
- ●養子縁組をおこなうと法定相続人の実子と同じ扱いで相続権が得られる
- ●養子縁組のメリットは基礎控除額が増える・非課税限度額の増加・相続人の立場を継承できる点
- ●注意点は相続争いの可能性・相続税額の2割加算・養子縁組を否認されることがある点など
相続をする際は、養子縁組がどのような影響を与えるのか気になりますよね。
そこで今回は、相続における養子縁組とはなにか、相続対策で養子縁組をおこなうメリットや注意点について解説します。
一宮市・名古屋市・西尾張で相続する予定の方は、ぜひ参考になさってください。
相続における養子縁組とは?
養子縁組をおこなうと、法定相続人でない方も相続権を持つことが可能です。
法定相続人とは、民法で定められた被相続人の財産を相続できる人のことを言い、配偶者や子ども、親、祖父母、兄弟などの血族に限られます。
養子として迎えられた方は、生まれたときからの子どもと同じ相続の順位や割合を持つことになります。
養子縁組の種類
養子縁組の種類は「普通養子縁組」と「特別養子縁組」の2つです。
普通養子縁組は、養子となった後も実の親子関係は続きます。
そのため、実の親と養親の双方から相続する権利を有します。
この手続きは市区町村の役所で提出する書類だけで完了し、比較的簡単です。
特別養子縁組は、この形式で養子縁組をおこなうと、元の実の親子関係は法的に解消されます。
養子縁組後は養親のみから相続権を持つことになるため、より慎重な判断が必要です。
特別養子縁組は、実の親の同意やその必要性を考慮したうえで、最終的には家庭裁判所の許可が必要になるため、手続きに時間がかかります。
これらの情報を踏まえ、適切な養子縁組の形を選ぶことが、将来の財産計画において重要です。
相続割合と順位
養子縁組をおこなうと、養子になった子は実子と同様に相続人として認められます。
これは、普通養子縁組でも特別養子縁組でも同じです。
相続の順位や法定相続分についても、実子と同じ扱いを受けるため、養子縁組の種類に関わらず変わることはありません。
養子縁組の代表的な3パターン
養子縁組を検討する際、一般的には以下の3パターンが考えられます。
- ●孫を養子にする
- ●子の配偶者を養子にする
- ●再婚した妻の連れ子を養子にすること
孫は本来、法定相続人ではありませんが、養子として迎えることによって実子と同じ第1順位の相続人になります。
生前贈与も選択肢の1つですが、年間の非課税枠が限られているため、養子縁組によって相続権の確保が可能です。
また、現代社会では、老老介護が増えており、子の配偶者が献身的な介護を提供することがあります。
このような場合、子の配偶者を養子にすると、第1順位の相続人としての権利を与え、その貢献に感謝することができます。
生前に貢献があった場合は、特別寄与料の請求も可能ですが、その認定は難しいため、養子縁組により法的に確実な相続権を保証することがおすすめです。
再婚して家族になった妻の連れ子は、血縁関係がないため自動的には相続人にはなりません。
多くの方が誤解していることですが、夫にとって相続人として認められるためには養子縁組が必要です。
夫と妻の連れ子、および夫の実子との間の関係性を考慮しながら、適切な家族関係を築くことが重要です。
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相続対策で養子縁組をおこなうメリット
相続税の節税対策として養子縁組を検討する際のメリットをご説明します。
メリット①相続税の基礎控除額が増える
相続税を計算する際には、基礎控除と呼ばれる非課税枠が設けられています。
基礎控除額の計算式は「3,000万円+600万円×法定相続人の数」です。
養子縁組により法定相続人の数を増やすことができれば、相続財産から差し引くことができる基礎控除額も大きくなり、その結果、支払う相続税の総額が減少するメリットがあります。
メリット②生命保険金の非課税限度額が増える
被相続人が亡くなった際に支払われる死亡保険金には、一定の非課税枠が設けられています。
非課税限度額の計算式は「500万円 × 法定相続人の数」です。
この金額を超えた部分の保険金は相続税の課税対象となります。
養子縁組により、法定相続人の数が増えると、死亡保険金の非課税限度額も増加する点がメリットです。
メリット③死亡退職金の非課税限度額が増える
死亡退職金は、被相続人が生前に退職していれば受け取っていたであろう退職金のことです。
死亡退職金についても、生命保険金と同様に非課税枠が設定されています。
計算方法は「500万円 × 法定相続人の数」です。
この計算によって得られる金額を超えた部分は、相続税の課税対象となります。
養子縁組で法定相続人の数が増えると、死亡退職金に対する非課税枠も同様に増加します。
メリット④相続人の立場を継承できる
養子は実子と同じように相続人となるため、財産を引き継がせたい場合、養子にすることが有効な手段です。
たとえば、血縁関係のない子を幼い頃から育てている場合、その子を法的に養子として迎え入れない限り、相続が発生した際にその子は相続人とは認められません。
養子縁組によって、相続人として認められ、将来的に財産を受け継ぐことができます。
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相続対策で養子縁組をおこなう際の注意点
養子縁組による相続計画を進める際に考慮すべき注意点と対策は、以下のとおりです。
注意点①相続争いの可能性
養子縁組をおこなうと、養子も実子と同じく法定相続人となり、遺産分割協議をおこないます。
遺産分割協議では、養子と実子間でそれぞれの権利を主張するため、関係性によっては相続争いが発生する可能性があります。
実子にとっては、養子の存在により自身の相続分が減少するため、不満を持たれることもあるでしょう。
将来的なトラブルを避けるためには、遺言を作成するのがおすすめです。
遺言により、遺産の分配に関する指示が記されるため、相続時の紛争を回避しやすくなります。
家族構成の変更は、特定の相続人に不利益を与えることがあるため、養子縁組を検討する際は家族全員の合意を形成することが重要です。
注意点②相続税額が2割加算されることがある
一般的に、亡くなった方の直系尊属や配偶者以外の人が相続する場合、相続税額に2割が加算されることがあります。
加算対象には、二親等の血族である兄弟姉妹や孫、三親等である甥や姪などが含まれます。
養子は通常、実子と同じく一親等の親族とみなされるため、2割加算の対象にはなりません。
しかし、被相続人の孫が養子になった特殊なケースでは、一般的な養子とは異なり、2割加算の対象となることがあります。
この規定は、相続税の節税を目的とした「一代飛ばし」の節税策に対して課される特例として設けられています。
ただし、被相続人の子供が相続開始時点で既に亡くなっており、孫がその代わりに相続する「代襲相続」の場合、2割加算は適用されません。
孫が直接の相続人として扱われるためです。
注意点③養子縁組の否認リスク
税務当局は、相続税の不正な減少を目的とした養子縁組を特定し、否認することがあります。
法定相続人を不当に増やすことによって基礎控除や非課税枠を増加させようとするケースに適用されることが多いです。
養子縁組が否認されやすいのは、以下のような状況です。
- ●被相続人の死亡直前に養子縁組をおこなった場合
- ●養子に遺産が渡らないような養子縁組
養子縁組が否認されると、節税効果は失われるだけでなく、相続税の申告をやり直す必要が生じたり、追徴課税が課されたりする事態にもなりかねません。
そのため、養子縁組を用いた節税対策を検討する際は、専門家の意見を聞き、法的な適正を確認しながら進めることが大切です。
正しい手続きと適切なタイミングでの養子縁組が、将来のトラブルを避けるためには不可欠です。
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まとめ
養子縁組をおこなうと、法定相続人の実子と同じ扱いで相続権が得られます。
相続対策で養子縁組をおこなうメリットは、基礎控除額が増える点と非課税限度額の増加、相続人の立場を継承できる点です。
注意点は、相続争いの可能性や相続税額の2割加算、養子縁組を否認されることがある点です。
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