不動産か現金か?相続するならどっちが得かを解説!
- この記事のハイライト
- ●不動産を相続すると現金を相続するよりも相続税の負担を軽減できる可能性がある
- ●相続人が複数いる状態で不動産を相続すると遺産分割においてトラブルが発生しやすい
- ●現金を相続すると節税にはならないものの使い道の選択肢が広いというメリットがある
遺産のなかに不動産と現金が含まれており、どちらを取得しようか迷っている方もいらっしゃるでしょう。
どちらも大切な財産ではありますが、選択したものによっては高額な相続税を支払うケースもあります。
そこで今回は、現金と不動産ではどちらを相続したほうが得なのか、メリットとデメリットを踏まえて解説します。
一宮市・名古屋市・西尾張で相続対策をお考えの方は、ぜひ参考になさってください。
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目次
現金と不動産ならどっちが得?不動産を相続した方が良い理由
亡くなった方の遺産を相続すると、その遺産に対して相続税がかかります。
相続税の負担を減らしたい方は、現金よりも不動産を相続するのがおすすめです。
ここからは、現金よりも不動産のほうが相続税の節税になる理由を解説します。
不動産のほうが節税できる理由
不動産の相続税評価額は、時価よりも低くなるという特徴があります。
相続税評価額とは、相続税や贈与税といった税金を申告するときの基準となる評価額です。
たとえば、相続発生時の財産が「現金5,000万円」の場合、相続税評価額はそのまま「5,000万円」になります。
では、生前のうちに「5,000万円の不動産」を購入し、相続が発生した場合はどうでしょうか。
不動産も課税対象となりますが、この時の相続税評価額は5,000万円ではありません。
不動産の評価額は時価よりも低くなるように設定されており、購入価格の約8割、建物であれば5割~6割程度になります。
したがって、現金と不動産のどっちが得かを考えたときは、相続税の計算に使われる価額が低い不動産のほうが得だと言えます。
不動産のほうが得であることがわかる計算例
1人の相続人が財産を相続した場合に、相続税がいくらかかるのかをシミュレーションしてみましょう。
「現金5,000万円を相続した場合」と「5,000万円で購入した不動産を相続した場合」の税額を計算します。
相続税の求め方は以下のとおりです。
- 基礎控除額を算出する
- 相続財産の総額から基礎控除額を差し引いて課税対象額を算出する
- 速算表で税率と控除額を調べる
- 相続税を計算する
相続税を求めるには、まず基礎控除額を計算しなければなりません。
基礎控除額は法定相続人の数によって異なり、「3,000万円+(600万円×法定相続人の数)」で求められます。
法定相続人が1人の場合、基礎控除額は3,600万円なので、現金を相続した場合の課税対象額は「5,000万円−3,600万円=1,400万円」です。
速算表によると、3,000万円以下は「税率15%・控除額50万円」に該当するため、相続税は160万円と計算できます。
一方、不動産の相続税評価額は80%ほどになるため、相続財産の総額は5,000万円ではなく4,000万円で計算します。
課税対象額は「4,000万円−3,600万円=400万円」となり、速算表によると1,000万円以下の税率は10%なので、相続税は40万円です。
このように現金と不動産では、どちらを相続するかによって、相続税が100万円以上変わることも珍しくありません。
以上の点から、現金よりも不動産を相続するほうが節税効果が高く、税金面でお得といえます。
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相続は現金と不動産どっちが得?不動産を相続するメリット・デメリット
税金面で考えると不動産を相続したほうがお得ですが、それだけで判断するのは危険です。
不動産の相続には、メリットだけではなくデメリットもあるためです。
ここからは、不動産を相続するメリットとデメリットを解説します。
不動産を相続した際に得られるメリットとは
不動産を相続した際に得られるメリットは、相続税を抑えられることです。
先述のとおり、不動産の相続税評価額は時価よりも低いため、現金を相続するよりも相続税の負担を軽減できます。
また、不動産相続時には複数の特例や控除が用意されており、それらを活用すればさらに節税に繋がります。
たとえば「小規模宅地等の特例」を適用した場合、土地の評価額を最大80%も減額することが可能です。
特例を利用するには一定の要件を満たす必要があるため、国税庁のホームページなどで確認しておくことをおすすめします。
不動産を相続した際に生じるデメリットとは
不動産を相続するデメリットは、遺産分割においてトラブルが発生しやすいことです。
不動産は現金のように均等に分割するのが難しいため、複数人で相続する場合は揉める可能性があります。
また不動産を相続すると、使用状況にかかわらず毎年固定資産税や都市計画税を支払わなければなりません。
さらに空き家は放置すると劣化が急速に進むため、定期的に訪問して掃除や見回り、換気などの管理が必要です。
遠方にお住まいなどで自分で管理するのが難しい場合は、管理会社に委託することもできますが、管理費用が発生します。
このように不動産は、相続税を抑えられても税金や管理費用がかかるため、トータルではそれほどお得にならないこともあります。
不動産を活用する予定がないのであれば、相続後に売却することも視野に入れておくと良いでしょう。
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相続は現金と不動産どっちが得?現金を相続するメリット・デメリット
不動産を相続するメリットとデメリットがあるように、現金にも良い点と悪い点があります。
相続で後悔しないためには、それぞれのメリットとデメリットを把握し、両方を比較した上で判断することが大切です。
ここからは、現金を相続するメリットとデメリットを解説します。
現金を相続した際に得られるメリットとは
現金を相続するメリットは、相続後の使い道の選択肢が広いことです。
現金であれば、生活費に充てたり子どもの教育資金に充てたりと、ご自身で自由に用途を決められます。
不相談を所有し続けるための定期的な管理や、毎年課税される固定資産税を納める必要もありません。
また、不動産を売却して現金を相続する場合は、遺産分割協議を平等におこなえる点もメリットです。
遺産分割協議とは、遺産をどのように分けて誰が取得するかを、相続人全員で話し合うことです。
遺産分割協議では相続人全員の同意が必要であり、意見がまとまらなければ相続手続きを進められません。
現金は不動産と違って1円単位で均等に分割できるため、トラブルを回避してスムーズに手続きを進められるでしょう。
現金を相続した際に生じるデメリットとは
現金を相続するデメリットは、相続税を節税できないことです。
先述のとおり、同じ5,000万円の価値がある資産を相続したときに、現金と不動産では相続税が100万円以上も違うことがあります。
だからといって使い道のない不動産を相続すると、管理や税金が負担になることもあるでしょう。
「不動産を相続しても使う予定がない」と不安な場合は、不動産として相続してから売却する方法もあります。
ご自身やほかの相続人との関係、不動産の状態などさまざまな点を考慮してから総合的に判断することが大切です。
判断に迷う場合や税金対策で不安な点があれば、税理士へ相談しながら手続きを進めていくと良いでしょう。
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まとめ
相続税の負担を軽減したければ、現金よりも不動産を相続するのがおすすめです。
しかし不動産を相続する場合にもデメリットはあるので、すべての方に適した選択とは言えません。
双方のメリットとデメリットを把握したうえで、ほかの相続人の意見も取り入れながら、どちらが得かを総合的に判断しましょう。
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