事故物件は相続したほうが良い?判断基準と相続するデメリットなどを解説
- この記事のハイライト
- ●事故物件の相続税評価は一般的な不動産に比べると低くなる傾向にある
- ●事故物件を相続するかどうかは需要や土地活用のしやすさなどで判断する
- ●事故物件が収益物件の場合は空室リスクや家賃の下落リスクがある
遺産のなかに事故物件が含まれていると「相続放棄すべきだろうか」と迷うことでしょう。
事故物件であっても相続したほうが良いケースもあるため、需要の高さや活用のしやすさなど総合的に判断することが重要です。
そこで今回は、事故物件を相続するかどうかの判断基準、相続した場合のデメリットなどを解説します。
一宮市や名古屋市、西尾張で事故物件を相続する可能性のある方は、ぜひ最後までご覧ください。
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事故物件にも相続税がかかる?相続税評価について
過去に事件や事故などが起き、人が亡くなった物件を「事故物件」といいます。
ご自身が買主の立場になった場合、人が亡くなったと聞くと抵抗感を覚える方も多いのではないでしょうか。
このように、抵抗感や嫌悪感を感じる事柄を「心理的瑕疵(しんりてきかし)」といいます。
心理的瑕疵のある物件はマイナスイメージが強く、売りに出してもなかなか買主が見つかりません。
そんな特殊な不動産であっても、相続した際には相続税の課税対象となります。
まずは、事故物件と相続税について確認しておきましょう。
事故物件にも相続税が課される
相続税とは、被相続人(亡くなった方)から基礎控除額を超える財産を受け継いだ際に、超えた金額に応じて課される税金です。
基礎控除額は法定相続人の数によって異なり、「3,000万円+600万円×法定相続人数」で計算します。
たとえば相続人が2人の場合、基礎控除額は4,200万円となり、4,200万円を超えた部分に対して相続税が課税されます。
事故物件だからといって相続税が免除されることはなく、通常の不動産と同様に課税対象となる点に注意しましょう。
もし事故物件を相続しても活用できないと感じる場合は、相続放棄をして物件の取得を回避する方法もあります。
相続放棄とは、被相続人の遺産を相続する権利をすべて放棄することです。
相続放棄をすると、初めから相続人でないものとみなされるため、事故物件の取得を巡ってトラブルになる心配もありません。
ただし、事故物件だけでなくプラスの財産もすべて放棄することになるため、相続放棄をするか否かは慎重に判断することが大切です。
次章で相続するかどうかの判断基準を解説するため、ぜひ1つの目安として参考になさってください。
事故物件の相続税は軽減される可能性がある
事故物件も相続税の課税対象となりますが、一般的な物件よりも評価額は低くなる傾向にあります。
利用価値が付近の宅地よりも著しく低下していると認められた際は、通常の評価額に10%を乗じた金額を評価額から控除できるためです。
取引金額に影響を受けると認められるもの(騒音や日照阻害など)が対象ですが、心理的瑕疵のある事故物件も含まれます。
不動産の相続税は評価額が基準になるため、評価額が下がると税負担の軽減に繋がるでしょう。
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事故物件は相続したほうが良い?判断基準について
先述したように、相続放棄をすると被相続人の全財産を取得できなくなるため、慎重な判断が必要です。
後悔しないためにも、事故物件を相続したほうが良いかどうかの判断基準を確認しておきましょう。
判断基準1:需要の高さ
事故物件でも、高い需要が見込める場合は相続を前向きに検討しても良いといえます。
たとえば、駅や商業施設の徒歩圏内にある物件は人気なため、スムーズに買主や入居者が見つかるかもしれません。
反対に、最寄り駅から遠く利便性が低い物件などは、売却しにくいことが多く、賃貸に出しても入居者が見つからない可能性があります。
そのような物件の場合、相続しても活用できずに放置してしまうことも考えられるため、相続放棄を検討すると良いでしょう。
判断基準2:土地活用のしやすさ
土地が広くてさまざまな用途に活用できそうな物件は、相続を検討する価値があります。
たとえば、駐車場経営といった土地活用をすることで、将来的に安定した収益を得られるかもしれません。
事故物件であっても住宅以外に活用するのであれば、利用者の抵抗感や嫌悪感も減るでしょう。
また、交通量の多い道路沿いにある広い土地の場合は、ファストフード店などの事業者から高い需要があります。
事業者に貸し出せば毎月賃料を受け取れるため、安定した収益が期待できるでしょう。
ただし、建物を解体して土地活用をする際は、数百万円から数千万円というコストや手間がかかります。
後悔しないためにも、事前にリスクや収益性などを調べてから判断するようにしましょう。
判断基準3:事故物件を売却する必要性
事故物件を売却する必要があるかどうかも、判断基準の1つといえます。
遺産のなかに現金や預貯金などがある場合、そのお金を相続税の支払いにあてることが可能です。
しかし、遺産の大部分を不動産が占めるようなケースでは、不動産を現金化しないと相続税を支払えないことがあります。
ここで注意したいのが、相続税の申告・納税は「被相続人が亡くなったことを知った翌日から10か月以内」に完了する必要がある点です。
事故物件はマイナスイメージが強いため、なかなか買主が見つからず、期限までに売却できない可能性があります。
したがって、相続税を支払うために事故物件の売却が必要な場合は、相続放棄も視野に入れておくほうが良いでしょう。
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事故物件を相続した場合の将来的なデメリットとは?
事故物件を相続する際は、相続した場合に生じるデメリットも理解しておく必要があります。
事故物件が収益物件の場合に生じるデメリット
事故物件がアパートや区分マンションなどの場合、相続すると以下のようなデメリットが考えられます。
- 空室リスクが高まる
- 家賃を下げる必要が生じる
事故物件は過去に起きた事柄が原因で、入居者に抵抗感や恐怖心を与えることがあります。
たとえば「過去にここで殺人事件が起こった」と聞くと、多くの方がその場所で生活するのに恐怖心や嫌悪感を覚えるでしょう。
このような心理的抵抗感から、なかなか入居者が決まらず、空室率が高くなる可能性があります。
空室期間が長引いてしまうと収入を得られないため、場合によっては家賃の値下げを検討せざるを得ません。
家賃を下げれば入居者が見つかるかもしれませんが、手元に入るお金は少なくなってしまいます。
事故物件が自己の居住用の場合に生じるデメリット
事故物件にご自身で住む場合、それほど大きなデメリットはありません。
しかし、物件が空き家になる場合には注意が必要です。
相続した事故物件が空き家になる場合、以下のようなデメリットが生じます。
- 建物や設備の老朽化
- 維持・管理費用の負担
- 防犯上の問題
空き家は日常的に換気や掃除が行われないため、早急に老朽化します。
管理を怠ると建物の損壊や倒壊に繋がるだけでなく、不法侵入や放火など犯罪のターゲットにされる可能性が高まります。
万が一空き家の管理不足が原因で他人に損害を与えた場合、所有者が責任を負わなければなりません。
事故物件は賃貸活用しようにも入居者が見つかりにくいため、長期間の空き家状態が続くことが予想されます。
管理費用や固定資産税などのコストがかかり、金銭的にも精神的にも大きな負担になるでしょう。
デメリットが大きいと感じる場合は、相続放棄か売却を検討しましょう。
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まとめ
事故物件も相続税の課税対象となりますが、一般的な住宅よりも相続税評価は下がる傾向にあります。
事故物件を相続するかどうかは、さまざまな要素を踏まえて総合的に判断することが大切です。
もし将来活用する予定がなければ、相続後に早めに売却するか相続放棄を検討しましょう。
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